5月の勉強会報告
任意団体ヴィープス(木原一裕チェアマン)は5月11日、5月度の月例勉強会を開催しました。
今回はいつもの東京・池袋界隈の会議室を抜け出し、久々の屋外活動。舞台を一気に千葉県まで移して開催しました。実はわれわれ、千葉県での開催は恐らく過去にはなく初かもしれません。

待ち合わせの駅は、千葉みなと駅。JR京葉線と千葉モノレールの駅でもあります。ちなみに千葉モノレールは、レールから車両がぶらさがる構造のいわゆる「懸垂式」が特徴。初めて乗車してみて、眼下には遮るものもなくまるで車両ごと空を飛ぶような感覚でした。モノレールの高揚感も相まって、この後への期待値が高まります。

引っ張りましたが、今回の目的は何とAmazonの倉庫見学ツアー!!運営委員が今期事業の候補として会議で起案してくれた瞬間から「もう絶対行く!!!」と心をときめかせてきました。千葉市美浜区にある「千葉みなとフルフィルメントセンター(FC)」で実施されるAmazonの無料見学ツアーこと「Amazon Tours」に、会員13人が参加しました。なおこのツアーは日本で唯一、この千葉FCだけで実施されているもの。聞けば、昨年から始まった取り組みだということです。
久々に登場した目印の「ヴィープスフラッグ」のもと、東京方面から会員が集合。駅からは距離があるため、タクシーに便乗して千葉FCに向かいます。10分弱ほど走ったでしょうか、待望の大きな物流センターに到着!見学者の待ち合いスペースに集まって、係員の呼び出しを今か今かと待ちます。

……と、この先入場に際してはいくつかの約束とルールがあります。
撮影・録画・録音は一切NGで、スマホは持ち込めません。ロッカーに手荷物とともに預けておきます。入館証を下げ、見学者を識別するためのベストを着用して、解説員さんの声を聞きつつこちらから質問もできるようマイク付きのイヤーモニターを装着。構内は整然と列をなし順序よく歩き、階段は必ず手すりを持って館内を移動していきます。ただ紙とペンは持ち込みが許可。歩きながらのメモは危険なのでNG、止まって説明を受けるときにチャンスとばかり必死にメモを取りました。以下その略記です。

ここのFCで行われるものは、順に①入荷②棚入れ③棚出し④梱包⑤出荷、という工程。ツアーでは①から順に見学させてもらいました。
まずは1Fの入荷から。それはもう途方もない品揃えを誇る巨大プラットフォームであるアマゾンですから、日にトラックから何度着荷してそれを仕分けしていくことか想像できません。ヤードは荷物やドライバーが濡れないよう屋根の下で荷卸しが行われ、かつ作業者が快適に従事できるよう温度も管理しているということです。
荷卸しした商品のうち、ダース売りのものやガラス製のものなど、それぞれの規定条件に基づいて別口で棚入れが行われますが、一般的には開梱後、入荷時の段ボールに貼付されたバーコードをスキャンしてから商品を専用のコンテナに移し替えます。その後、バーコードプリンタでラベルを出力し、コンテナに貼付。これで入荷してきた商品はアマゾンの管理単位に変換されて「何がいくつあるのか」をデータ化していきます。ちなみに人が開梱と登録の作業を行うスポットの足元には必ずマットを敷設。立ち仕事の作業員に対する膝や腰へのケアも忘れていません。
次に2Fへ移動して、②の棚入れへ。ここは世界企業アマゾンが誇るマテリアルハンドリングの先進事例が見られる場面です。ザックリいうと、フロアには5桁単位の「収納棚」を保有し、搬送ロボットが棚を出し入れして作業員のブースまで持ってきます。作業員は、推定2メートル弱で一面2列仕様の棚の開いた部分に商品を入れていきます。電池はこの棚、はさみはこの棚…などとカテゴリー別でしまう必要は一切なく、空いている棚に何を入れてもよいのだそう。作業開始前にコンテナのバーコードをスキャンした後、作業員が手で商品を棚に入れていく人の動きをカメラで捕捉することで「どこの棚に・何が・いくつあるか」を登録するというシステムです。ですから、作業員のタスクを大まかにいうと「向こうから棚が自動で目の前までやってきて、開いている棚に商品を収める」だけ。あとは機械が登録します。
今度は③の棚出しへ。作業員の前にまたまた棚が自動でやってくるのですが、注文に従って「この棚から何をいくつピックアップせよ」という指示がモニターに出るとともに該当する棚に後方からスポットライトが当たって「ココですよ」と知らせます。こうして1回の注文の内容物をピックアップしてコンテナにまとめます。そのコンテナは次の④の梱包に回されていきます。なお注文内容が千葉FC内で完結すればよいですが、もし同所にない場合は「横浜行き」のように別のFCへコンテナが移送されるのだそうです。
そして④の梱包では、われわれ消費者が日ごろよく見る光景に。畳まれてストックされる大きさや形状の異なる段ボールや緩衝材などがあり、作業員が次々に梱包していきます。なお緩衝材を使う・使わないやどれくらい使用するのかは、一定のルールはあれど作業員の判断に基づくのだそうです。また段ボール材は常にデザインや仕様が更新されていて、開けやすい設計や畳みやすい設計などアップデートが図られています。

◇◇◇
構内に遊び心は随所に見られ、例えばエレベーターの扉はアマゾンの段ボールに似せた造りとして、ミシン目に沿って開封するように扉が開きます。また構内の動線も色で区分けされていて、粘着シートも随所に見られました。従業員さんもビジターと同じベストを着用しているのですが、ベストを色分けすることでそれぞれの役割が一目瞭然となるようにといった細かな配慮や狙いも。基本的にはアマゾン本社の運用手法やルールを日本法人でもトレースしていると思いますが、さまざまな国籍やバックボーンを持つ従業員であっても等しく快適で安全に働くことができるような思想に基づく配慮が感じられます。
また作業員のブースモニターには、業務と本体関係のない画面も。一つの作業を終えるのに要した時間が表示され、前回を上回ったら評価を表示して意欲の向上を支援したり、また業務を続けるとポイントが溜まってポイントを満たすとミニゲームができたりと、飽きさせずに集中力やモチベーションを維持するといったゲーミフィケーションの実装が見られました。
ほかにも解説員の方が「このセンターにどれくらいの品数があるか」「このセンターの大きさはティラノサウルス何匹分か」などと移動中にクイズを出題。われわれを飽きさせないよう工夫がなされ、さらに数字や情報を伴う一部質問以外は基本的に何でも答えてくださいました。

ちなみに、巨大な食堂の近くには小型のコンビニエンスストアのようなショップも。決済をウオークスルーで行う「アマゾンGO方式か??!?」とにわかに胸が高鳴りましたが、実態はQR決済でした。ま、まあそうですよね。
こうして90分のツアーが終了。その後一同ははるばる池袋まで戻って、懇親会を行いました。クリックした先で何が起きているのかを知る。先進のマテリアルハンドリング施策を見る。自動化と人が共存する世界を見る。というとても意義深い経験ができた大充実のアマゾンツアーでした。最後は、係員さんに教えてもらった「アマゾンマーク」のポーズで集合写真!


