5月の勉強会報告
任意団体ヴィープス(木原一裕チェアマン)は5月26日、東京都千代田区神田錦町のちよだプラットフォ―ムスクウェアで5月の月例勉強会を開催。25人が参加しました。

今回のテーマは「シール印刷会社での『タイミーの活用』」。いわゆるスキマバイト、スポットワーカー派遣最大手のタイミー様が講師を務めたほか、実際に運用しているラベル印刷会社として㈱ワールド・プリンターの斎藤和則社長も招いて講演いただきました。
はじめにタイミーから、井村有沙氏と榊原遼太リーダーから、タイミーの事業説明や具体的な運用方法、採用実例などの概略をていねいに説明いただきました。

Timeeは2017年設立の企業。「働くを通じて人生の可能性を広げるインフラを作る」というミッションのもと、『スキマバイト』という新しい働き方を提供している会社です。スキマバイトとは、働きたい人と人手が欲しい企業を、空いた時間ベースでマッチングするサービスのことを指します。
ワーカー側のメリットとして井村氏は「すぐに仕事が見つかる」「面接・履歴書不要」「即日入金」「簡単なステップで働ける」といった点があり、企業側にとっても、「1分で募集開始」「すぐ人が見つかる」「優秀な人材を長期雇用可能」「給与の支払いは月末締め翌月払い」などといった利点があると説きます。
井村氏によると「現在Timeeは15万社以上の企業と、1,100万人以上のワーカーに利用されており、『スキマバイトといえばTimee』という圧倒的な認知度を誇ります」と解説。登録しているワーカーは年代・職業問わず多様で、マッチングにおいてはスキルや経験で条件設定ができ、過去の評価やコメント、ペナルティー情報なども確認可能となっています。
また欠勤は0.2%と極めて低く、ペナルティー制度により信頼性を高めているとの話。さらにグループ管理機能で優秀な人材をリピート採用することもでき、「実際91.1%の企業がリピーターになっています」(同)。さらに希望すれば無料で長期雇用に切り替えることも可能で、加えて「報告義務や紹介料も不要」とのことでした。

「私たちが目指しているのは、従来の『固定型』の雇用から『変動型』への転換です。特に繁閑の波がある業界では、必要なときに必要な人数だけ働いてもらうという形が非常に合理的です」と榊原リーダー。最後に、タイミーの存在意義をこのように説明しました。
「なぜ今Timeeなのかという点ですが、日本の生産年齢人口は減少を続け、2040年には1,100万人の労働力が不足すると予測されています。その中で、スポットワーカーの数は急増しており、今後の労働環境において『必要なときにすぐ働ける』仕組みは不可欠になっています。実際にTimeeは北海道から沖縄まで全国で人が集まる仕組みを整えており、24時間以内の募集でも約70%が集まり、97%以上がキャンセルせず勤務しています」
「これらの理由から、多くの企業に選ばれているのが私たちTimeeです」
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続いて、タイミーを実際に活用している企業の視点を学びます。ワールド・プリンターの齊藤社長が登場しました。

昔は仕事が溢れていて、うちの業務スタッフは残業続きで、毎日の工程を必死に組んでいました。少しでも負担を減らそうと派遣会社に頼ってみるも、来るはずの人が来なかったり、相性が合わなかったりで、なかなかうまくいかず何年も同じことの繰り返し。そんなある日、うちの奥さん(業務トップでもある)が「もう我慢できない」とCMで見かけた「タイミー」に連絡してみたのがきっかけでした。
実際に使ってみると、登録も簡単、やりとりもスムーズで、「これは使える」と実感。タイミーの社長、小川さんという若い方が「がっちりマンデー」で語っていた内容も印象的でした。ただの人材マッチングにとどまらず、「働くとは何か」「会社も変わっていける」という哲学を感じたんです。
使い始めてから、社内にも変化が起きました。ある日、4年働いてくれていたパートさんが「タイミーの時給より私の給料安くないですか」と直談判してきたんです。実際はそこまで安くなかったけれど、働く人の意識が変わってきた証拠。それをきっかけに、時給を上げた上で、パート主任として機械操作や工程管理を任せるようにしました。これで社員のモチベーションも、現場の効率もぐっと上がりました。

さらに驚いたのが業務スタッフの変化です。それまで「今日来る?来ない?」に翻弄されていた日々が、タイミーのおかげで劇的に減り、今では商品開発やHPの刷新、デザインの勉強など、本来やるべきクリエイティブな仕事に集中できています。人が辞めてしまうのは、仕事がつまらないから。そこを見直せたのも大きかった。
タイミーは、ただ人を送ってくれる仕組みじゃありません。時間ができたら次に何をさせるか、社内での役割をどう進化させるか。それを考えないと逆に人材を失う危機にもつながります。
いつか自分がタイミーで働くこともあるかもしれない、なんて想像します。たとえば他社の現場に行って経験するのも、これからは当たり前の世界になってくる。そうなったとき、自分の会社が「ここで働きたい」と思ってもらえる場所である必要がある。タイミーでヘルプにきてくれている方にアンケートを取っても、うちに正社員として来てくれた人はまだいません。それは、うちの魅力がまだ足りていないということです。
SNSでの発信や、会社のブランディングも同じ。見栄えだけじゃダメで、誰のための「かっこよさ」かが問われる時代。働く人の視点で、本当にいい環境を整えていくことが、今、僕たちに求められていると思うんです。

これが、うちがタイミーを通じて体験した、ほんの少しのイノベーション。でもそれが会社を少しずつ変えていってるんですよ。皆さんも、業務の中で「これは本当に価値のある仕事か?」って立ち止まって考えてみてください。そして、空いた時間に何をさせるか、何を育てるかを考えておかないと、その時間は逆にリスクになります。
最後に、これはもう働く人が主役の時代。企業ファーストから、ユーザーファーストへ。これに気づかずにいると、どんどん取り残されますよ。うちもまだ道半ば。でもこうして変わるきっかけをくれたのが、タイミーだったんです。
アツいメッセージを伺った後は、斎藤社長がそのままモデレーター役となり、熱を帯びたまま30分以上質疑応答を実施。多くの質問の都度斎藤社長からは金言が飛び出すなど、2か月連続の人材と雇用のカリキュラムは大充実の会となりました。

タイミーのお二方、斎藤社長、どうもありがとうございました!!