3月の勉強会報告
Vieps(宍戸伊助チェアマン)は3月15日、東京都中央区銀座の中小企業会館で勉強会を開催して約20人が参加しました。
今回は、Viepsが今年度の活動内容の筆頭にも挙げられているBCP(Business ContinuityPlan・事業継続計画)に関する内容。システムインテグレーターの㈱ビジュアル・プロセッシング・ジャパン(VPJ、東京都渋谷区渋谷)を招いて「印刷関連企業に求められるBCPとは」をテーマに講演を行いました。
会の冒頭初めにあいさつに立った宍戸チェアマンは、今回の企画趣旨と狙いを次のように説明しました。
「災害発生後の事業継続の視点はもちろん、ある日会社のPCやサーバーが盗難、破損した場合にも通じる話。特に日々多くの顧客データを取り扱うわれわれ印刷会社にとって、データを管理することがいかに重要であるかを学んでもらえればと思います」
はじめに、星名康雄常務取締役営業本部長が登壇して、「サーバー・データベース・ネットワーク構築をベースに、コンテンツ制作環境に特化したシステムインテグレーション」とVPJの事業内容や会社概要、ならびに同社のグローバルパートナーを一通り説明しました。
次に、鹿島功敬マネージャーがスライドを使用してBCPの基礎知識からVPJのソリューションまで概説しました。
「BCPとは緊急時に中核事業を継続させたり、早期復旧させたりするための備えのこと」と紹介した同氏は、9.11以降、人的リソースや物資が滞ったことがきっかけとなり、これへの対策を重視したアメリカを中心にこういった概念が急速に発展しはじめたと説明しました。なお日本でも、2005年に経済産業省がBCPに似た「事業継続に関するガイドライン」を策定していたということです。
次に、BCPのプロセスについてこう説明します。
「まずはビジネスインパクト分析とも称する、基本方針の策定を行います。対象となる災害は地震か・火災か・テロかといった災害の種類を想定。次に、災害発生後に継続させるべき中核事業は何かを考えます。さらに、それを何時間・何日・何週間で復旧させるかという“いつまで”を策定。これらを踏まえて『対応策の設定』という次のフェーズに進みます」
「業務を継続するに際して、重要な業務は何でしょうか。印刷・営業・プリプレスetcは会社によって異なります。それによって『従業員がいなければ行えないのか』『設備が備わっていればできるのか』という具合に、自社の重要な経営資源は従業員・設備・情報システムかを見極めます。そこから、データを保全するための対策、設備を確保するための手法を割り出し、自社における〝経営資源”の定義や〝重要業務”の定義を見いだしていく――これが基本的なBCPプロセスです」
そして印刷業に求められるIT環境のBCPについて、鹿島氏は「制作進行中のデータの複製と過去データの保管管理や、これらファイルを取り出せるアクセス確保が重要」と提言。外部拠点やクラウドサービス上へのバックアップと、業務継続のためにデータの受け渡しや印刷工場への転送が行えるリモートアクセスの必要性を説きました。その上で、VPJが提案する印刷関連ビジネスに特化したクラウドサービス「デジタルパラダイス」を紹介。特長や利点、具体的な運用のフローといったBCPソリューションを図解とともに会員に提案しました。
終了後には、さらに具体的な運用法や規定に関する質問が相次ぐなど、それぞれがデータ管理の重要性を認識したようでした。
終わりに宍戸チェアマンは、今期中に再度BCPに関する講義を実施することを一同に明言しました。
株式会社ビジュアル・プロセッシング・ジャパン
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