6月の勉強会報告
Viepsは6月15日、銀座の中小企業会館で勉強会を開催しました。カシオ計算機を講師に招いて、ユポラベルへの印刷を可能とした同社のページプリンタ「SPEEDIA GE5000-YPO」に関する講演を聴講しました。
システム戦略部PPR企画室の西田公浩リーダーは、はじめにカシオ計算機の会社概要やグループの事業領域を図解で紹介。ハンディターミナル、レジスターなど情報端末の説明に次いで、同氏は昨年発売されたGE5000-YPOに至るまでの、カシオ計算機のページプリンタ開発の変遷を図解し解説しました。
西田氏によると、同社は1985年に世界で初めて液晶シャッタ方式を採用したドットプリンタ「LCS2400」を開発。1996年には、カラーニーズや小型で高速、さらに長尺印刷といったニーズに応える世界初の卓上型タンデム仕様の「N4」を発売しました。
「このように機構、速度、コンパクトサイズなどいくつかの〝世界初〟で当社はページプリンタ市場をリードしてきました」と語った同氏は、カシオ計算機のプリンタの歴史と実績に言及。その中で「流通分野からは普通紙よりも厚い紙を、またホームセンターからは雨など水濡れに強い耐水性用紙をといった特殊用紙への要望が寄せられていました」と、用紙適用力への追求にシフト。その途上で「〝無から有を生み出す〟という企業理念のもと、他社がやらないことを目指していく上でGE5000-YPOの開発に至った」と経緯を語りました。
トナー方式の同機は、ヘッドの光源にLED-UVを採用。解像度が600dpiで、A4サイズのユポラベルではカラー・モノクロとも毎分15枚を印刷できます。プリンタの概要を説明する中で、導入ユーザーの具体的な事例や同機を活用したビジネスモデルを紹介するなど、昨年の発売開始後、導入実績を伸ばしていることを明らかにしました。
その後西田氏は、SPEEDIA GE5000-YPOを活用した経営改善を提案。「多品種小ロット市場へのローコスト対応」「在庫圧縮」「生産工程の短縮と即納対応」「生産コストの最小限化」といった視点から、仮定を提示しながら、アナログ印刷機とのコスト比較や製造工程の圧縮などを数字やイラスト、グラフを用いて検証結果を視覚的に証明。ラベルのオンデマンド印刷に対する有効性を訴えました。
講演を終えると、会議室に設置した実機を用いて、印刷のデモンストレーションが行われました。
「印刷のプロの皆さんの視点で、忌憚のないご意見をお聞かせいただければ」とのカシオ計算機の要求に対して、印字されたサンプルを手に、回覧しながら意見交換と質疑応答を実施。「この部分はなぜこういった印刷表現になるのか」「こんな用途は難しいかも」「この品質ならば、こういった用途で十分使用可能だ」「この価格でこれだけの再現性が確保できるのなら十分戦力になる」等々会員は口々に評価。活発な質疑応答が繰り広げられました。
カシオ計算機株式会社
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