3月の勉強会リポート

任意団体Vieps(宍戸伊助チェアマン)は3月15日、デジタル印刷機メーカーのザイコンジャパン㈱(東京都文京区湯島、山部淳社長) を会員ら23人で訪問。本社内に設置されたロール・ツー・ロールタイプの「Xeikon3050」を見学しました。オランダ本社のXeikonは、世界市場で屈指の出荷台数を誇る先進の企業。その実機によるデモが見られるとあり、参加者は興味津々です。

これに先駆け同社による勉強会が企画され、参加者らは同社に近接するお茶の水セントヒルズホテル会議室へ集合します。
はじめに、最大通紙幅が330mmとXeikonの後加工用途にも対応可能な「加工機」に関するプレゼンから始まり、㈱デジタルイメージングコーポレーションの高橋卓男部長が登壇。カッティングプロッタにラミネートとスリット、巻き出し巻き取り機構を備えた“5in1”タイプの後加工機「Digital LabelFinisher 2000-330Plus」を紹介しました。

雑誌や会社案内、チラシにポスターとなど市場が縮小傾向にある商業印刷分野に対して、堅調に推移するのがシール・ラベルやパッケージ印刷分野。「プリントオンデマンドでラベルを刷りはじめている商印の各社を中心に注目を集めています」(同)と、商印からラベル印刷に参入した際にぶつかる障壁である「抜き加工」工程を、デジタル制御に伴うスキルレスで解決する構造的利点に触れました。
さらにはレーザーダイカットマシンも提供していると高橋氏。デジタル・ツー・デジタルのシームレスなソリューション提案を訴えました。

次いで山部社長が講演。

はじめに1色でも4色でも印刷スピードは一緒、解像度1200dpi、プライマーコート不要、エンドレス印刷可能、高い耐候性と白隠ぺい性――といったXeikon共通の構造と機能、特性をていねいに解説します。続いて、ドライトナーを採用するXeikonの得手不得手とその理由を解説した後「ドキュメントの両面印刷を得意としたXeikonはその後、2008年のdrupaで片面印刷に軸足を置きました」と、自社デジタル印刷機の開発の歴史に触れました。さらに同氏は、今年のdrupaで披露する新たな技術・「液体トナー」についてもいち早く言及しました。
Xeikonの活用例として、壁紙から絵巻物、電飾看板、マスキングテープ、名刺などなど、国内導入企業の事例を紹介。
この中で「楕円」「長方形」「帯状」などと異なるサイズ/リピートのラベルを、一つのウェブ上に面付けして一度に印刷できるユニークな「バリレーン」機能など、山部社長はXeikonの特徴や優位性を説きました。

終了後、本社に移動してXeikon3050による実機デモを見学。山部社長の説明を受けながら約30分ほど、世界各地で稼働する先進のデジタル印刷機と刷り上がりの具合をしっかりと確かめました。

ラボには現在、再開発工事が進むJR御茶ノ水駅周辺の風景をパノラマカメラ風に長尺印刷し、街が生まれ変わっていく様子を収めたユニークな写真を貼付されていました。

会員らは、特にフィルムに印刷されたホワイトの高い隠ぺい性に目を見張っていました。