4月の勉強会リポート

任意団体Vieps(宍戸伊助チェアマン)は4月14日、東京都中央区銀座の中小企業会館で勉強会を開催しました。
今回のテーマは「後加工」に関する内容。シール・ラベル印刷において切っても切れない工程、装置メーカー3社による講演が行われ25人が参加しました。
はじめに登場したのは、㈱恩田製作所の恩田博社長。シール・ラベル業界の大御所自ら箔押し、ラミネート、抜き加工を行う代表的な「OPM-HL300-S」について、マシンの構造や各機構を解説しました。

「ユーザーの用途や要望に応じて、さまざまなスタイルで提供しています」と述べる恩田社長は、同機でシール刃以外にビク抜きやトムソン刃を用いたり、パンチ金型と腐食刃を組み合わせて一度に抜きと穴加工を施したりといった事例に言及。光学系フィルムの抜き加工や、自動車ボディ用途などに用いる超強粘の両面テープ用、さらに万引き防止用シールに配する銅製のアンテナを抜くといった具体的な事案に役立っていることを報告しました。
会員からの質問に対しても、長年の歴史と圧倒的な顧客数という「蓄積」の中から“解”を拾い上げ、より情報量豊かに応じていました。

続いて、富士商工マシナリー㈱が登場。佐藤貴之部長がタッチパネル、バックライト、電池、ソーラーパネルといった同社の事業ドメインと、各産業の現状やトレンドについて詳しく説明しました。

同社のプレス機は、特に精緻な抜き精度が求められる分野に供給されており、電機・光学関連のコンバーティング事業を受託する複数のラベル印刷会社にも導入されています。ロール・ツー・シートの加工機は世の中に数有りますが、同社はシートをロール化するというシート・ツー・ロールなる機構を持つ加工機も持っています。
こうした同社の豊富なプレス機を紹介しながら「ただ切るのではなく『きれいに切る・まっすぐ切る』や、印刷パターンを読み『位置補正をし、正確に貼る』の追求にフォーカスしています」と、開発の高度化に臨む同社の姿勢を語りました。

最後に登場したのは、㈱メディアテクノロジージャパン。同社が昨年から取り扱いを開始したイタリアのメーカー、カルテスのレーザーダイカッター「GEMINIシリーズ」について、鈴木睦二担当副部長がカッティングサンプルを回覧して紹介しました。

カルテスのレーザーダイカッターは、シート用のものからロール用、エントリーモデルからハイエンドモデルまでラインアップが充実。日本国内でも、デジタル印刷機の後加工機用途として、ロールタイプのハイエンドモデルが数台かどうしています。
フレキソニスやコールド箔加工、ダイカットといった多機能を誇る同機の目玉は、レーザーの照射跡である“白フチ”が発生しないというカルテス独自の「ILCシステム」。回覧されたスミベタのラベルの外形に白フチが生じていないサンプルを確認して、感心の声があがっていました。デジタル印刷機を扱うメーカーの会員は「この機構は大したものだ」と手放しで評価しつつも、きっとこうやって実現しているのではと推論していました。