「どさん子ツアー」行いました
任意団体Vieps毎年恒例の「企業視察ツアー」が今年も行われました。今年の舞台は初の北海道!6月17日、札幌の印刷会社2社の生産現場を見学する企業視察ツアーに、会員企業9社が参加しました。
はじめに訪れたのは、道内でも屈指の歴史を誇る㈱シモクニ様(札幌市中央区北6条西15丁目、☎011・631・4865)です。下國民雄社長と下國延彦取締役常務が一同を迎えてくださいました。
生産現場の視察に先立ち、参加者一同を会議室に招いた下國社長。あいさつに続いて、同社の社歴を紹介いただきました。それによると、今年創業95年を迎えたとのこと。1935年には、北海道ではじめてラベル印刷機を導入。道内初のシール印刷事業者である点をはじめ、全日本シール印刷協同組合連合会主催の「シールラベルコンテスト」のみならず「世界ラベルコンテスト」でも入賞を果たす実績、さらに実物を披露してセキュリティーラベルや点字ラベルなどのさまざまな機能性ラベルをご紹介いただきました。
その後2班に分かれ、下國社長と常務が説明員となり工場を見学。オペレーターがキビキビと作業に従事する場内では、各種ラベル印刷機をはじめ、スリッターや検査装置のほか、女性スタッフが率いるインキ調色室、シート印刷物にもラミネートが施せる後加工セクション、刃型や刷版を整然と管理したバックヤード――。隅から隅まで開放いただきました。
オペレーターは複数の班に分かれ、班長は自分以外のグループの仕上がりをチェックするとのこと。また場内の一角には、ラベルをストックする場所が設けられています。これは、特に難しかったものや技術を要したもの、奇麗にできたものをオペレーター自ら投函するもので、ここから次のラベルコンテストに出品する作品を協議の上選出するのだそうです。
見学を終え会議室で質疑応答を重ねる中、宍戸チェアマンは「印刷機周辺のインキ跳ねはもとより、じゅう器や印刷機の足下にもほこりが一切溜まっておらず、清潔に維持されて驚きました。これまで視察してきたラベル印刷会社の中で、一番キレイだったと感じます。下國社長の思想が、工場の隅々まで行き渡っている姿に感銘を受けました」と感想を語りました。
次に一同が訪れたのは、大東セロファンの子会社、大東印刷㈱様(札幌市西区発寒16条14丁目、☎011・665・7533)。渡邊武社長のあいさつと会社概要の説明に次いで、グラビア印刷とラミネート、スリット、製袋を手がける生産現場を見学しました。
まず驚いたのは、圧倒的な「スケールの違い」でした。クラッシックモデルから最新モデルまで、ラベル印刷機とは比較にならないほど大きなグラビア印刷機が並びます。また機械の大きさはもとより、当然インキの供給量から印刷幅、印刷スピード、刷り終わったロールフィルムの大きさまで、ラベル印刷のそれに比べると規模がまったく異なる光景に圧倒されます。
機械を止めることなくロールフィルムを自動で切り替えるターレットリワインダーが機能するシーンや、印刷速度が速すぎて残像の影響からあたかもウェブが止まっているかのように見える現象、ビルの2、3Fはあろうかという天井の高い倉庫内で自動管理されたシリンダー置き場。これだけスケールの大きな工場内にはオペレーターの数はずっと少なく、コンピューター制御に基づく自動化が成された生産現場であることを目の当たりにしました。
終了後に設けた質疑応答と意見交換の席で、渡邊社長は「これまで最低ロットと言えは3,000~4,000mでしたが、近年では2,000m、中には1,000mという発注もざらです」と解説。グラビア分野の業界動静を会員らに説明していただきました。
視察ツアーを終え、夜はすすきので再合流。北海道かに将軍本店を舞台に、下國社長、常務も迎え懇親会を盛大に執り行いました。
シモクニ様、大東印刷様、そして視察ツアーのコーディネート役を務めていただいたリンテック札幌支店様、本当にどうもありがとうございました。