10月の勉強会報告

任意団体Viepsは10月16日、中央区銀座の中小企業会館で勉強会を開催しました。

今回のお題は、経営者にとって近年ますます頭を抱える「人材確保」について。エン・ジャパン㈱を講師に招いて、中小企業の人員採用のコツを題材に、よい人材に見つけてもらえる・選んでもらえる求人を出すコツを上原光明氏がレクチャーしました。

「全国の有効求人倍率は1974年以来、43年振りの高水準」と直近の数値を告げた上原氏は、過去10年間の全国の有効求人倍率をグラフで表示。また労働力人口の推移に言及した同氏は、34才までの労働人口が10年前から379万人減少していると指摘して「中途採用の市場は熾烈な状況」と、人材不足が生じている背景について数字を用いて説きました。

また、そもそも「転職希望者はなぜ転職を考えるのか」といった、根源的なテーマに言及した同氏。エン・ジャパンが長年蓄積するアンケートデータから年代ごとにデータを分析して解を公開した上で、そこを起点に考察した「求人を出す際の選ばれるコツ」を、世代ごとの要点などと共に会員へ伝授しました。

質疑応答では、人材難に直面している会員らが「こちらが期待するような10点満点の応募者に出会った経験がない。そもそも10点満点はサイトにいるのか。転職サイトを利用するものなのか」や「この経営者の下に送り出したくないと感じるポイントはあるか」など、踏み込んだ内容を相次いて投げかけます。

同氏は一部私見も含みますがと前置きした上で、それぞれ「優秀な人材はヘッドハンティングされる・独力で次を見つける・自ら起業することも多い」「欠員が出たら金を積んでまた集めればいい、という消耗品感覚の企業」など真摯に応じました。

また会員企業から「エン・ジャパンを利用した当社の中途採用者が総じて好人物なのだが、なぜか」という問いかけに同氏は「会員へのサポートの中では、仕事のやりがいだけを書くのではなくここは厳しい、こういう人には不向きかもという側面も率直に明記します。なので、あらかじめそれを承知の上で覚悟を決めて挑む割合が他社サイトより多いのかも。また会員には、転職を簡単にしてはいけない旨も啓発しています。かったるいとか面倒くさいから、なんて理由ではなく、転職する際は今の職場できちんと恩返しした上で(転職)しましょうと伝えています。そういったわれわれの姿勢を汲んだ会員が就職活動に挑み、転職先で評価をいただいているとしたら、それはうれしいことですね」と笑顔をのぞかせていました。