5月の勉強会報告
任意団体Vieps(宍戸伊助社長)は5月16日、中央区銀座の中小企業会館で月例勉強会を開催し30人が出席しました。
はじめに、ダイヤミック㈱が登場。絆創膏にも用いられるメディカル用のアクリル系粘着剤を採用した「Face Paint Film」を実物とともに紹介しました。
水や薬剤など不要で、一般的なシール同様容易に貼れて使用後も肌に残ることなく剥がせる同素材は「来年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックのシーンで、自国の国旗を塗料でペインティングしなくても頬など好きなところに貼れます」と担当者はPR。
現在はシートラベル用のみの展開ですが、「間もなく正式上市する見通し」(同)というロール化した同フィルムに、武藤工業が今春発表した630mm幅のIJプリンタ「VJ-628MP」で出力したタトゥーシールを配布。早速会員から「最小ロットはどれくらいを想定しているのか」「同社のIJP以外に対応する印刷方式は」と質問が飛びました。
続いて「デジタル化による社会課題の解決と7年後を見据えた現状と異なる価値創造に向けて」と題して、岩崎通信機の大川毅裕部長が講演しました。
はじめに同社の沿革を追いながら、情報通信と産業計測の岩崎通信機がいかにインクジェット(IJ)デジタル印刷機「ラベルマイスターEM-250W」の開発に至ったかを説明。そのうえで、ラベルマイスターのUVモデルに加え最新型の水性インクモデルを紹介しスペックを説明しました。
その上で大川部長は、日本の人口に占める65歳以上の割合が3割を超える「2025年問題」や、水や石油の枯渇危機を指摘して「人手不足と環境配慮」という社会課題に言及。「ラベル印刷の手段の話ではなく、社会変化と課題、それに準じた働き方に対して〝岩崎通信機として何ができるのか〟というアプローチで、デジタル印刷機の有効性や込められる期待をお伝えしたい」と趣旨を訴えました。
また講演中には、日用品メーカーが自社でラベルマイスターを設備し、メーカーが軟包装印刷を内製化したという実例を紹介しました。
ほかにも「講演直前に届いて、急いで出力してきました」(同)と、石灰石を主成分とし水や木材を使わない日本発の新素材として注目を集めている、㈱TBMのストーンペーパー「LIMEX」をロールラベル化し、ラベルマイスターでプリントした参考品を回覧。TBMの担当者が会社概要とLIMEXの特徴を説明しながら印刷サンプルを回覧しました。
注目の新素材を粘着ロール化し、そこへデジタル印刷を施したという希少なサンプルは格好の好奇の的に。「基材厚は今後現在の厚みから薄くなりそうなのか」「いつごろ上市することを想定しているのか」「上市するまでどんな技術的課題があるととらえているのか」「想定価格は」「シールの抜き加工は行えるのか」等々、熱のこもった会員の質問がいつまでも続きました。