恒例の研修会を実施しました

任意団体Vieps(宍戸伊助チェアマン)は6月8日、毎年恒例の研修会を実施しました。昨年の宮崎・都城に引き続き、今年は愛知県の印刷会社2社の生産現場を視察。当地の同業者も含め、総勢22人が参加しました。

名古屋駅構内にある銀の時計前に集合後、PM12:00に貸し切りバスで出発。はじめに、シバタセスコ㈱(大阪市東住吉区湯里、☎06・6702・8796)の犬山工場を訪問しました。

柴田哲男社長と犬山工場の桜井浩二工場長が一行を歓迎してくださいました。

「シール組合に所属していながら印刷はしていない当社では、主に原反の製造や粘着加工、工業用や自動車用の各種テープを製造しています」と柴田社長が自社を紹介。主に大阪本社が加工を担当、また同工場が粘着塗工を行っていると説明しました。その後2班に分かれ、それぞれ柴田社長と桜井工場長が引率しました。

グラビアコーターでは、粘着塗工前の下処理剤を塗工する工程を見学。傍らの整理された千鳥柄や格子柄、水玉柄のグラビア版について「柄をインキではなくのりで印刷するようなイメージです」と、主に文具や装飾・建装用でどういった最終製品になるかを説明しました。店頭でよく目にする某有名メーカーのOEM商品から、変わったものではエアコンのフィルターに貼り付けて使用する特殊用途の粘着素材を紹介。特定のモチーフの形状にのりを印刷し、ほこりがのりに吸着することで柄が表出したらフィルターの掃除時期の合図、といった視覚に訴えるアイデア商品に感心しきりの様子でした。

またナイフコーターでは、乾燥炉の設定温度が炉の位置ごとに異なる点を尋ねた会員に「最初にいきなり高温だと気泡が生じるため、入口から徐々に温度を高めている」と回答。ほかにも、剥離紙側に塗工して基材と貼り合わせるのはなぜか、のり殺しはどう処理しているのか、工場内でどれくらいの種類ののりを塗工しているのか、など質問した会員は「付せんを無意識に日々使っているが、シール印刷をするより相当大変な工程を経ていることを知った」と感想を語っていました。

次に訪れたのは、オフセット印刷のほかフレキソ印刷による軟放送印刷を行う菱源㈱(愛知県海部郡大治町、☎052・444・2323)。岩田吉光社長が歓迎のあいさつを述べ同社の会社概要を紹介しました。

1871年年の創業、2003年のフレキソ印刷機初導入とその経緯、さらに導入後3年足らずで世界のフレキソ技術協会のコンペティションで、カレンダーを印刷して賞を獲得したことを説明しました。

そのフレキソ印刷では、ダイレクトレーザー彫刻機を内製化しエンドレス印刷を実現しています。印刷サンプルでは、フィルム基材にエンドレス印刷を施したロール式POP「くるくるロール」を引き合いに出して「大手トイレタリー各社からの引き合いが多い」(同)と紹介しました。

その後工場に移動してUVフレキソ機や製版装置を見学。普段見慣れないフレキソ機の稼働する姿に熱い視線を送り、オペレーターに質問を繰り広げていました。