忘年会を行いました

任意団体Viepsは12月12日、忘年会を実施しました。

1年を終わりを締めくくる大切な行事、待望の忘年会の前にも(少しだけ)お勉強を欠かさないのが、Viepsの昔からのならわし。銀座のスワンカフェで小一時間勉強会を行いました。

※写真は昼間に撮ったものです。昼間から飲んでいた訳では決してありません。

――と、ここまで昨年とほぼ同じ文章と写真ですが、このテンプレートはきっと来年も使用します

講師を務めたのは、9月に実施した「viepsオープンセミナー」パネルセッションでパネラーの1人として登壇いただいた、山王テクノアーツ㈱の田中祐社長です。前段は、田中社長が直前にインドで開催された世界のシール・ラベル印刷団体が集う通称「L9」に日本代表として参加してきた簡単な報告をしてくださいました。

「世界会議では、日本代表として英語でプレゼンをしたのですけれども、結構緊張しましたが15分の枠で3回笑いを取ることができました」とここでも笑いを取ることに成功した田中社長は、世界会議の席で各国の代表が発表したラベル印刷に関する市場動向の推移をピックアップ。日本や海外の増減をグラフで確認しながらマーケットトレンドを推察する中で、日本市場については「報道では伸長とあるも実質はほぼ横ばい。さらに内訳をみると、住所を表示した宛名ラベルや賞味期限を記した表示ラベルといった、可変情報ラベルが増えています」

「つまり、われわれが関わる分野外のプリンタ向けのラベル需要が増えているのであり、可変情報ラベルの比率が高まってるのでそっから考えるとですね従来の印刷機しか保有していない典型的なラベル印刷会社のマーケットサイズは年々縮小しているということです」と問いかけました。

ならば当然〝デジタル印刷機を入れた方がいいのでは〟という話になりますが、と続けた同氏は「ここに集まる弊社を含めた中小企業にとって、後継者問題があります。われわれのお父さん世代達は、やはり設備投資に非常に消極的ですよね。まだ機械の価格が高いだとか、今買ってもペイできないとか、印刷品質がどうだとか。でも本音は、今ここで何千万っていう投資をして息子の世代まで借金背負わさのは気の毒だなあと思ってなかなか投資に踏み切れないってのが現状だと思います」と吐露。

他方、と続けます。

「主催国のインドや中国、またメキシコの方もいらっしゃったのですけども、彼らのプレゼンはもう行け行けどんどんで明るい世界の話ばっかりで。毎年右肩上がりで経済も伸びていますし、それに比例してラベルのマーケット広がってるようです。これに伴い、お客さんも今までは安かろう悪かろうでもよかったところを、どんどんのよいものを要求してきているから『われわれもどんどんの設備投資してもいい機械を買わなければいけない』、とのことでした」

「メキシコ国内では過去1年でこれだけのデジタル印刷機が導入された、なんて数字を見せられる中で、すみません日本はこれくらいです…といった話をしてたら、英国の人なんかは〝よく言ってくれた〟と、こうくる訳です。『これから英国や米国などの先進国は、どこかで日本のような分岐点を迎えることになるだろう』と。実は英国も、日本と同様中小のラベル印刷会社さんが結構あるそうで、後継者がいないため店をたたむところも多いという話をされてました。このように、世界会議みたいなハレの場ではあまり表立ってマイナス要素は言わないけれども、実は内容は似たり寄ったりなんだねなんてお話はされていました」

こうして、日本の業界団体の会長として参加した世界会議の裏側を詳らかにしてくれたほか、ラベル印刷会社がこれから確立すべきマーケティングとブランディングのハナシもたっぷり講演しました。忘年会前の通常より時間の短い小勉強会のレベルではない、あからさまに聞き応えしかない濃すぎる内容。オープンキッチンの環境音が常に聞こえ集中しづらい店内でしたが、誰もが耳を奪われ真剣な表情で聞き入っていました。今年、田中社長が同様の勉強会で全国を行脚してきた際には、ぜひ参加なさってみては。

そんなこんなで、2019年も任意団体Viepsをよろしくお願いします!