3月の勉強会報告
任意団体ヴィープス(宍戸伊助チェアマン)は3月18日、東京都中央区銀座の中小企業会館で月例勉強会を開催し15人が参加しました。
4月1日から「働き方改革関連法」が施行されることを受け設けられた今回のテーマは「昨今の労務問題について」。同法のアウトラインをはじめ、残業や有給休暇の処遇に対するこれまでとの具体的な変更点や留意点について、澤井国際事務所代表で社会保険労務士の澤井清治氏が講演しました。澤井講師は、もう何度目かの登場となります。
はじめに、澤井氏は「まずは大企業を対象とし中小企業は1年後の2020年4月1日から」と前置きしつつ「印刷業に従事する聴講者各位は〈その他〉業種となり、当該業種が定める中小企業とは①資本金の額または出資の総額が3億円以下②常時使用する労働者数が300人以下」と定義を確認。次いで、改正法から7項目を抽出した同氏は、この中から「時間外・休日労働の上限規制」と「年次有給休暇の消化義務」の解説に重点を置きました。
前者については▽時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間▽特別条項付きの36協定を締結し所轄労働基準監督署長に届出た場合は年720時間以内、といった変更点に加え就業規則や届出は見やすい場所へ掲示するなど周知義務がある点や違反した際の罰則規定などを確認。また、後者に関しては「雇入日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10労働日の年次有給休暇を付与しなければなない」(同)とし、パート社員もこれに該当する場合の勤務条件などを説明したほか、基準日から1年以内に5日を取得させる義務がある旨に関しても触れました。
経営者が多い聴講者からは「有休を買い取る行為は合法なのか」「会社が独自に定める永年勤続やリフレッシュ休暇は、年5日取得義務の有給に該当するのか」などといった質問が相次いでいました。