10月の勉強会報告

任意団体ヴィープス(宍戸伊助チェアマン)は10月16日、東京都中央区銀座の中小企業会館で月例勉強会を開催。16人が参加しました。

今回の講演テーマは「ひとりよがりのキャッチコピー」。自己満足で終わらせないための大切な作成手順を学ぼう、という趣旨で姫野裕基氏が講師を務めました。

冒頭、宍戸チェアマンは「自社ですでに何かしら保有している企業もあれば、この先必要となる場面に出くわす企業もあるはず。商品やサービスを左右する、大切なキャッチコピーを作るための勘所を養いましょう」と呼びかけました。

キャッチコピーとは、大企業が著名なコピーライターにお金を払って作ってもらうもの――。どこかこういったイメージを想起しがちですが、決してそれだけではなく、中小企業の営業活動や販売促進活動にも関係があります。

「それがキャッチコピーと意識せずに、チラシや提案書を作っていることがあるのでは」と問いかける姫野氏は、キャッチコピーの定義として「消費者の心を強くとらえる効果をねらった印象的な宣伝文句であり、人の注意を引く広告文・宣伝文のこと」と位置づけました。

昨今は市場や環境の変化により、スモールビジネスの現場でも自らキャッチコピーをつくり、市場に訴求することが求められるようになっていると補足する同氏は、余談として「ちなみにキャッチコピーは和製英語。正しくは "advertising slogan" もしくは"tagline"と呼びます」と紹介しました。

まずは世の中の事例を通じて知りましょうと姫野氏は、一部を伏せ字加工したCMで耳にするキャッチコピーを列記しました。

「セブンイレブン、○○○」に「△△△と、△△△に、ファミリーマート」、「□□の□□□、ローソン」といったコンビニ各社の代表例に次いで「24時間働けますか」「お口の恋人、○○○」「△△△の夏、日本の夏」「インテル、□ってる」などといった商品キャッチコピーを表示。聴講者らはどれもすらすらと読み上げました。

続いて、作成の手順をレクチャーします。「メリットを提示して消費者の目を留めさせること」とキャッチコピーの役割と大前提を提起した上で①読み手に利益を提示する②ターゲットに訴えかける③言葉に吸引力がある④ボディコピーに引きずりこむ、と考え方や発想の要点を挙げます。

この4項目を踏まえた上で▽USP(ウリ)は何か▽顧客は誰か▽どのような人か▽そのUSPは受け入れられるか▽ベネフィット(顧客に起こるイイこと)は何か、をそれぞれ分けて明確にしていくことが重要とレクチャー。「どんなフレーズがいいかな、といきなり考え始める前に、まずは発想の手順をしっかり押さえましょう」と伝えました。

こうして書き出した言葉をコピーに加工していく手法について、姫野氏はいくつかつまびらかにしました。

◇読者に投げかける

読んでもらいたいターゲットに合図して「え、私のこと?」と振り向かせる。

  • ●●な方へ→吉祥寺にお住まいの方へ。40代経営者の皆様。
  • あなたは●●ですか?→運動不足のままで大丈夫ですか?

◇約束を伝える

時事性、具体的な約束事を伝える。多少長くなってもOK。

  • ●●する方法→受かる日本史
  • 具体的な数値を入れる。→30日で1億円稼ぐ男のライフスタイル

◇組み合わせてみる

よい情報、よいところ、複数の強みやベネフィットを、リズム感も踏まえ組み合わせてみる

  • フワフワでトロトロ
  • 会話の達人、言葉の鉄人
  • 掃除、挨拶、計画
  • 食べたい、でもやせたい

◇◇◇

後半は、3班に分かれてワークを実施。姫野氏が配布したキャッチコピーを体系的に考えるためのシートに準じながら、商品のキャッチコピーを共に考えて発表していました。