11月の勉強会報告

任意団体ヴィープス(宍戸伊助チェアマン)は11月18日、東京都中央区のマイスペース銀座マロニエ通り店で勉強会を開催し13人が参加しました。

ひめの企画代表の姫野裕基氏による今回のマーケティング講座は『商品には必ず寿命がある!商品アイデア発想技法』。冒頭、導入・成長・成熟・衰退の4期から成る「製品ライフサイクル」を示した同氏は「どんな製品にも寿命があり、衰退期は訪れる」と位置づけ、商品企画のシーンに有用なアイデア発想術を学びましょうと今日の目的を明示しました。

姫野氏はスクリーンに、古いファイルで使用されるような、書類を綴じるひもの写真を投影します。「写真の画にとらわれず、本来とは異なる新しい〝ヒモ状の商品〟を自由に発想してみましょう」と投げかけ、プリントを配布。5分間にいくつアウトプットできるか促して実践しました。イヤホンにUSBメモリー、健康機器にファッション小物、サプメントに加工食品など、会員らはひも状の○○というたくさんの商品案を発表しました。

いくつ出たか・どんなアイデアが出たか会員の発言に耳を傾けつつ「アレコレとたくさん思いつき、聞くより話すほうが好きな人は『アイデアラッシュ型』。一方、散逸しがちな各人の意見をまとめたがり、目標を見失わずブレないのが『コーディネート型』。この2種類に大別できます」と言及。そのうえで、アイデアラッシュ型の「ブレインストーミング法」とコーディネート型の「KJ法」とそれぞれの発想法を説明しました。

次のスライドには、マトリクス状の一覧表を表示。ひもを横軸とし「太い・中くらい・細い」と区分、また縦軸には「オフィス・家庭・食べ物・音楽・ファッション・男性…」などといった用途で分類しました。姫野氏は「このように整理すると『オフィス+細い』『食べ物+中くらい』『ファッション+太い』と、場当たり的だったり特定のジャンルに偏ったりすることなく、まんべんなくシステマチックに商品アイデアを生み出せます」と説明。実際に自社オフィスや会議の場面を想定して、集団思考や集団発想法の手順を図解しながら説明しました。

とは言え「頭の中でマトリクス状に整理して発想するのは難しいもの」と姫野氏。続いては、模造紙と付せんを用いて、実際にアイデアをアウトプットしていきましょうと、班に分かれてワークを実践しました。縦軸に自社製品と自社技術を、横軸に市場やターゲットを置き、模造紙を眺め思考を巡らしながら、グループで新規商品企画に挑みました。
ワークでは、姫野講師が共通のお題を提示。好調な高濃度水素サプリメントを錠剤以外にシリーズ化する、との前提条件を提示して、高濃度水素を使用した商品開発を「モーフォロジカル分析(形態要素分析)」に即してグループごとに企画しました。

女性をターゲットに「タピオカの中に封じ込める」「ふりかけにする」などなど、突飛で斬新な商品アイデアの数々が報告され、笑いや感心の声が止まないなか商品企画の手順を学びました。

いきなり商品開発してみなさいと言われても、なかなか頭の中だけでできないもの。「タテ×ヨコのマトリクスでシステマチックに項目を埋めていったり、付せんと模造紙でアウトプットしたりする訓練を続けていけば、たくさん生み出すことができます」(姫野講師)と総括しました。