12月の勉強会報告
任意団体ヴィープス(宍戸伊助チェアマン)は12月9日、東京都中央区のマイスペース銀座マロニエ通り店で勉強会を開催。年内最後ということで当日は忘年会も企画され、会員ら24人が参加しました。
ひめの企画代表の姫野裕基氏が年間を通じて教鞭を執るマーケティング講座は、今回で最終回。『ブランディングと言うけれど』と題して、ブランディングの本質に迫りました。
【イメージのよい県は】
イメージのよい都道府県は、と問われたらどこを想像しますか。また、そのとき何を思い浮かべるでしょうか。例えば沖縄や横浜・神奈川でしょうか。東京もあるでしょう。
都道府県の魅力ランキングについて、2018年の結果を見ると北海道が1位。そして2位は京都。1位と2位はずっと変わっていません。3位は東京で、沖縄が4位。この両者はちょこちょこ入れ替わっています。後は、神奈川長崎福岡――と続きます。ランキングですので、当然下位もります。では、その差は何なのでしょうか。
【そのとき何を思い浮かべるか】
例えば北海道なら、広大な大地にラベンダー畑、カニに雪まつりなど。沖縄だとハイビスカスに青い海と空、京都だと芸舞妓さんに清水寺、大文字焼き、などなど。
いいイメージがあれば、はっきりと思い浮かぶもの。そういう県ほど上位に入ってきます。逆に、いいイメージがぱっと思い浮かばない・イメージは浮かぶもよいものではない、あるいはイメージすら浮かばない。そういう県が下位になっているものです。
【ブランドとは?】
そもそもブランドとは。言葉の起源は、家畜に烙印を押して、自分の家畜と他人の家畜を区別したことに由来します。
マーケティングの大家であるフィリップ・コトラーは「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」をブランドだと説いています。
またある本では「ブランドとは、情緒的な付加価値を持つことによって、人に好感を呼び起こすモノ」と書かれています。これはコトラーにはなかった文脈です。
また別の人は「ブランドとは心の連想。目を閉じて何かしら好ましいイメージが浮かばなければ選択されない」と主張します。
これらをいいとこ取りして要約してみると、ブランドとは「識別・区別できて、よいイメージが浮かぶもの」。これがブランドだと認識しています。
【ブランドの機能と要素】
ブランドには機能と要素があります。読む本によって異なるので、最大公約数で構成してみます。
1商品識別機能
ロゴマークなど
2品質保証機能
識別されることで、どこの製品かが分かる、それで得られる安心感がある
3広告宣伝機能
ロゴやシンボルで商品や企業を想起する
――といった具合に、ブランドの言葉が指す要素を具体的な事例を交えつつ総括。その上で姫野講師はブランディングを「顧客やマーケットとよりよい関係を築きながら、ほかと識別できる共通のよいイメージを持ってもらうための活動」だと提起しました。
姫野講師は、自社のブランドとブランディングを考えていく上で有効となる、項目ごとに関連要素を区分され順に発想していくシートを表示。空欄への記入を促され、われわれは手を動かしながら、自社のブランドとブランディングへの落とし込みについてしっかりと向き合いました。