1月の勉強会報告

任意団体ヴィープス(木原一裕チェアマン)は1月27日、オンラインで月例勉強会を開催しました。

22年最初の開催にあたり冒頭、木原チェアマンはあいさつの中で「今年から対面とオンラインのハイブリッド開催を視野に準備を進めてきましたが、足元の感染拡大の影響から、当面はオンラインを継続していきます」と説明。「本来は、対面とオンラインのハイブリッド開催の初回に相応しい方にぜひ講師を、と依頼した形だったのですが」(同)として、今日の講師を務める全日本シール印刷協同組合連合会会長で山王テクノアーツ㈱社長の田中祐氏を紹介しました。

演題である「全日・田中の50問50答!」について、田中氏は「これは当社の新卒採用の際、会社紹介のVTRを見せられてもつまらないだろうからと考え、学生に向けて実施しているものです」と紹介します。

「一覧化した50のトピックを学生さんに興味のあるものを自由に選んでもらい、私が次々回答していきます。そのやりとりを通じて、うちの会社のことや社長の人となり、業界を取り巻く環境を知ってもらう狙いです」と趣旨説明。今回聴講者を〝学生〟と見立てた同氏は、一経営者の経営観から人事評価制度・人材育成策のほか現在の経営環境や具体的な営業戦略まで学生の興味に胸襟を開きすべて回答することで「当業界を取り巻く社会・経営環境を共有し、回答の中から参加者各位の何かのヒントとなれば」と語りました。

50の項目は▽印刷業界について▽主要顧客について▽売上・利益について▽経営ビジョンについて、といった業界や会社概要に関するものから▽社員のモチベーション維持について▽「はたらく」について▽やりがいについて▽音楽について、など価値観や趣味に関するものまで広範におよびます。一つ一つ、全部聞いてみたいものばかりです。

このうち「教育・研修について」、売り上げの1%弱を年間の教育研修費に充てると説明する田中氏は「基本的に自分の子供の教育にお金をかけることと同じ。興味がある・勉強したいという社員に学びの機会を平等に与えています」と明言。

関連して「『この分野について興味があり知識を習得したいので、こちらの書籍を購入してもらえませんか』、などといった一文を添えなくても結構。アマゾンの当該書籍のURLだけリンクして送ってくれれば、2~3日後には本人の手元に届きます」(同氏)という「書籍リクエスト制度」をはじめ、「『係』制度」、スキル評価制度など、山王テクノアーツの独自策のアレコレを詳らかに。田中氏に「社員の教育意欲に対してどの範囲まで許容するのか」「教育の投資に対する〝回収〟は何らかの形で求めるのか」と聴講者の質問が相次ぎましだ。

このほか、今回の講演に向けて追加したという「SDGsについて」は「今後、取引先からの企業調査で『SDGsに配慮した企業活動としてどういったことに取り組んでいるか』という質問が必ず入ってくるでしょう」と提言。経営者はこの質問に対して2、3分はきちんと語れる準備が要り、その過程で自社は何を目指しているのか見つめ直す機会となるはずと述べた田中氏は「SDGsの考え方をベースに持っていない企業は自然淘汰されるのでは」と私見を述べました。

こうして講演時間中、学生がらの8つの質問項目に対して田中氏は丁寧に回答。項目以外に、「どうしたらそのような人を惹きつける話術、落ち着いた話し方ができるようになるのですか」という質問も飛び出しました。聴講者からは、あと42項目残っているので、定期的に受講したいという感想も聞かれるほど、充実した意義ある会となりました。