10月の勉強会報告
任意団体Vieps(木原一裕チェアマン)は10月26日、文京区春日の区民会議室で月例勉強会を開催。当日はオンラインでも同時配信され16人が参加しました。
テーマは「今夏就任した新社長に聞く!」。同会員でカミイソ産商㈱の大西和幸社長と、谷口シール印刷㈱の谷口真司社長をパネリストに迎え、進行役の事務局による初の〝公開インタビュー〟形式で執り行いました。
「本当はほかにやりたい職業があった」「この時期の社長交代は既定路線だった」などの質問に○と×の札で即答する一問一答を経て、自社紹介と自己紹介。「大学4年時には平圧機を完全に使いこなしていた」「業界初のUVフレキソ機で1998年の世界ラベルコンテストではフレキソ線画の部で入賞した」などと、驚きの現場経験を語る谷口社長。これに対して、機械は一切触ってこなかったと語る大西社長は、経理や出荷、システム管理を経て商品開発と営業に従事し、5年前に自身で立ち上げたマスキングテープブランド「SAIEN」について言及しました。
カミイソ産商東京支店そばにある怪しげな英会話教室の外国人講師に、ある日コンビニの前でいきなり声をかけられたと大西社長。それを機に英会話スクールに飛び込み、週に一度6年間通い続け体得した語学力を基に海外事業を主導して「SAIENは現在、27か国で展開している」ということです。
日本の伝統文化と海外のコラボレーションを促進する経産省の「ジャパンブランド育成支援事業」に採択され、海外の産業展に出展するほか「北欧の無名デザイナーを直接スカウトして、日本でまだ知られていない人材やデザインを引っ張ってくる」など、SAIENブランドのこれまでとこれからを詳らかにしました。
また環境配慮施策について、谷口社長はLED化やハイブリッド車への移行に加え「発生するごみの削減を掲げ、例えば粘着紙発注のメートル数を10%減らすために製造段階で必要な施策を考えてもらい実践を促している」と回答。
大西社長は〝死に筋〟のマスキングテープを大学の学園祭に協賛して無償提供、廃棄を回避しながら「当社の認知度も高まり、採用応募が全国からくるようになった」などと副次効果を語ってくれました。
オンラインからも逐次質問が飛んできます。「価格改定は実際どうしていますか」「人事評価について教えてください」「生産現場の技術承継はうまくできていますか」「社長に就任したばかりですが、ずばり『その次』のことをもう考えていますか」などの質問に、谷口大西両社長が忌憚なく回答します。このうち谷口社長は、自分が●歳になる今から▽年後と心の中で定めて、今後社内から候補社員を育成していく。次世代に安心してバトンを渡せるように整備するのが私の使命」などと明言しました。
進行役は▽自社のバランスシート▽価格改定について▽これから市場に何が起きるか、などを出題。回答中もオンラインチャットで寄せられる質問に随時答えたり、「逆質問コーナー」で指名された木原チェアマンが椅子を持ち寄りパネラーとの対話に加わったりと、80分間の双方向型インタビューは大いに盛り上がって幕を閉じました。
参加者からは「社長と呼ばれてこそばゆかった自身の懐かしい感覚を思い出した。新社長の船出を応援したくなった」や「都度聞きたいことを質問したり新社長から先輩社長への逆質問があったりと、2人の人となりをより深く知れた」、また「新経営者の清新な信念や従業員を思う真摯な姿勢に触れ、仲間に元気をもらった」などと評していました。