3月の勉強会報告

任意団体Vieps(木原一裕チェアマン)は3月17日、文京区小石川のシビックセンター内会議室で3月度の月例勉強会を開催しました。

今回講師を務めたのは、税理士法人グランサーズ代表の黒瀧泰介氏。YouTubeに登録者数13万人超を誇る『社長の資産防衛チャンネル』を持つ、著名ないわゆるユーチューバーさんです。同チャンネルはほぼ毎日動画が更新されており、そのスピーカーが黒瀧氏。職務多忙の中、「社長の資産防衛vieps特別編」と題して講演してくださいました。

時には多少大仰なキャッチを加えたサムネイル表示には相当気を遣っており、その「引き」次第で閲覧数を分ける。なので、動画アップ後10分ごとに視聴者数の伸びをウオッチして、反応が今一つなら直ぐにサムネイルを変えます――。こうした制作班と戦略的に作られている動画コンテンツの裏側から黒瀧氏は話し出します。

そもそもは「お客さま向けに発信しようと始めたもの」と同氏。

「会計事務所の悩みとして、お客さまと情報提供するにも、どうしても身体は一つしかありません。すべてのクライアント企業にまんべんなく、というのは物理的に難しいという事情があります」とし、続けて「その情報を広く共有する手段と媒体にYouTubeを選びました。動画を流せば、お客さまにご案内しやすくなるのでは、という発想が起点でした」とのことです。

さて気になる資産防衛の講演内容ですが。割とギリギリな内容が飛び交い、文字化することに二の足を踏んでしまいます。きちんと申し上げておきたいのは、イリーガルなことは一切ありません! (当然ですが)

「皆さんは●●についてどう対処なさっていますか」と雑談のように気さくに問いかけ、うちにこんなお客さんがいた、具体的にこういった要望があった、それに対してこうしたやり方が考えられます…と、これまでグランサーズさんが手掛けた実例を引っ張り出しては〝ここだけの話〟を披歴してくれました。

経営者の相談内容は、ギリギリセーフを越えた案件も。せめてこうしては…という譲歩案や妙案の数々ですが、ただ、こういう講演がイチバン面白いんですよね。「役員報酬はどう決めているのか」「役員に賞与をだせるのか」「税務調査ウラ話」「補助金の申請〝分かりやすさ〟が大事だという話」「副業を始め一人経営者が増えたが、収入別より手元にお金を残すにはどんな方法があるか対比」等々。黒瀧氏のYouTubeチャンネルにアップロードされている内容だとしても、こうした場で気さくに質問に答えていただきながら会員の疑問や悩みに丁寧に分かりやすく答えてくれました。

ギリギリだからとすべて秘匿にしては伝わりませんので、一つ会員か質問のあった「中期経営計画の作り方」について。

「中長期計画ですが、数字だけだったら容易に作れると思います。経営理念と計画をマッチさせていく必要があり、皆さんの会社の幹部候補の人たちと一緒に作る場所をどう作るか。だなって思っています。要は、社長1人だけ計画作っても、従業員の皆さんが納得していないとなかなかその計画って途中で頓挫すると思われます。会社がやりたいことを、そのスタッフの皆が知っていないと、うまく回っていかないということを見ていて思います」

「もちろん、小規模の会社で社長のリーダーシップだけでやっていくっていう会社さんであれば別。社長が自分のやりたい世界観とか、目標とする数字だけをちゃんと作って、毎日、毎月その進捗をまず数字の進ちょくを追いかけることも重要なので、それに基づいたものを立案できるでしょう。他方、もし従業員さんも会社のある程度大きくさせていきたいというのであれば、スタッフを巻き込んでみる。そうじゃないと、途中で計画が空中分解します」

「作り方ですが、先に『こうありたい』とか『こうなりたい』を出していくのが先でしょうか。そのうえで、そのために売り上げがいくら・必要利益がいくら必要という順番かなと思います」

青森県の弘前出身という黒滝氏。グランサーズは、弘前にも事務所を構えているのだそうです。それは「完全に雇用を生みたいがため」という目的だと打ち明けてくれます。

青森県の平均年収は実はこれくらい、紹介。「その倍を支払える会社にしたいなと思って作りました。その年収を支払うためには、お客さんで売り上げが最低でも何本必要だとブレークダウンしてみての計画を作っていきます――。自身の実例を挙げて、作り方をより身近に教えてくれました。

事後の懇親会でも会員たちは大興奮。過去一面白かったと断言する大満足の会員もいるほどでした。

ブログではこうでしたが、ハイブリッド開催したので動画アーカイブはストックされています。いつか会員になったときは、ぜひ視聴してください。