4月の勉強会報告

Viepsは4月18日、東京都中央区銀座の中小企業会館で勉強会を開催し、18人が出席しました。

今回は会員企業2社がそれぞれカードに関する講演を実施。終了後には活発な質疑応答が行われるなど、カードのビジネスモデルやソリューションを学びました。

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はじめに、㈲エイブルの北見博之社長が「印刷物としてのカード」と題したプレゼンテーションを実施しました。

北見氏は、サイン・ディスプレー業エイブルの代表を務めるほか、ポイントカードやメンバーズカードといった各種カードの製造販売、カードリーダー・ライターの開発事業を行う㈱ナテックの横浜営業所GMとしての一面を持っています。
講義では、カード会社が発行するブランドカードをはじめ、プラスチックカード、書きかえ可能なリライトカードのほか、磁気カードやICカードなど豊富なカードサンプルを配布。それぞれの材質、印刷方法のほか、エンボス・デボスや箔押しといった加工手法と適性、特長や機能、採用分野など1枚ずつ分かりやすく紹介しました。
北見氏はカードについて「現在、ポイントカードはICカード化が進み、さらに電子マネー機能を搭載したモバイル端末に統合されるなどして、いずれ淘汰されていくでしょう」と将来性を予測。その上で「例えば、ポイント制をしている店としていない店があったら場合、お客さんは前者を選ぶでしょう。ユーザーがポイントカードを発行する目的には、お客さんへの還元のほかに“来店の頻度を上げる”という効果があります」といった役割を説明しました。
北見氏は「診察券やメンバーズカードは、その店舗がなくならない限り必ず発行数が増えるため、リピート率の高さは魅力。カードの特性を見極めつつ、お客さんの販促支援や売上アップのツールを提供するという視点から、ぜひ印刷業者は自社取り扱いジャンルの一つとしてカードを考えてみては」と提案しました。

有限会社エイブル
横浜市南区新川町5-32
☎045-260-8804

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次いで、㈱サトーからカード事業部の大久保安成事業部長が登壇。カードの国内市場規模や同社のリーダーライター販売事業、これを使用した同社のカードソリューションなどを紹介しました。

大久保氏は近年の市場ニーズに触れ、「最近は病院で診察券の磁気カード化が進み、受付処理を自動化して診療科ごとに即座に患者を振り分けています。さらにリライトカードを使用すれば、次回の診察日時をカード表面に直接印字することも可能です。こうした実用性以外にも、きれいなカードを使用してイメージ向上を図りたい病院も少なくありません」と述べました。
次に、Felica Liteを搭載したICカードへの表面印字とデータの書き込みが行える、同社のRFIDラベルプリンタ「レスプリVシリーズ」を紹介し、これを利用した運用実例を報告。導入企業はどの点を評価したのか、このソリューションによって何を実現したのかをデータや図解でプレゼンテーションしました。
サプライ品には、材料にペットボトルを25%以上再利用したカード、自然由来のでんぷんから作られる100%非石油素材PLAカードなど環境配慮型カードもラインアップ。今後について同氏は「各方面へのソリューション提供とともに、こういった環境に配慮した素材の使用もユーザーに提案して社会に貢献していきたい」と語りました。

株式会社サトー カード事業部
東京都目黒区下目黒1-7-1
☎03-6665-0717