11月の勉強会報告
Viepsは11月15日、東京都中央区銀座の都中小企業会館で、凸版間欠機メーカー▽岩崎鉄工㈱▽三起機械㈱▽㈱三條機械製作所▽リンテック㈱、以上4社の担当者を招き、技術交流会を開催しました。
当日は、35人が参加。各メーカーがプレゼンを行い、それぞれ自社の凸版間欠機に関する特徴を説明しました。
リンテックは、印刷・情報材事業部門の網本雅則グループ長らがIGAS2011に出品した「LPM-300iT」のLED-UV搭載モデルを紹介しました。
期間中、同機に搭載されたのは、浜松ホトニクス製のLED-UVシステムで、担当者からその特徴について説明が行われました。
それによると、同システムのメリットは、消費電力の大幅な削減に貢献する点。4Kw×4灯の凸版間欠機で、1日8時間×20日間稼働の場合、年間約54万円の節約を実現するとのこと。
また、システムからの発熱が少なく、ダクトなどの廃棄設備が不要となることや、ランプも瞬時の点灯が可能で、20,000時間の長寿命であることなどを挙げました。
一方で、現状での課題についても指摘。同システムは空冷のため、外気を取り込みながら冷却することから、吸気フィルターやLEDの保護ガラスにインキが付着すると、パワーが減退する点を説明。そして、何よりもイニシャルコストが高い点を挙げました。
リンテック㈱飯田橋オフィス
東京都文京区後楽2-1-12
☎03-3868-5647
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三起機械は、営業部の上原修次長らがスタンダード機「SMP-300」および小型機「BABY-200」の特徴について言及しました。
同社の印刷機最大の特徴は、何と言っても紙ガイドのない『ガイドレス』とシャフトレス(セクショナルドライブ機構)。当日は、高評価を得ている機能を説明するとともに、裏面・のり面の印刷を兼用するユニットについても紹介。高付加価値ラベル製造に寄与する機能である点をPRしました。
『ガイドレス(紙ガイド無し)』とは、蛇行修正装置により、原反をまっすぐに通紙させる機能。従来の印刷機では不可欠とされていた紙ガイドによる原反の蛇行を抑える必要がありません。
そもそも紙ガイドのトラブルとして考えられるのは、
①紙ガイドにたまった粘着剤の“のりダマ”が原反を引っかけて起こる「見当くるい」
②“のりダマ”が原反の中に入る“のりダマの製品混入”
③紙ガイドの調整不足による“原反の蛇行”
などが挙げられます。しかし、同システムによって、これらのトラブルが解消されます。
一方、裏面・のり面兼用印刷ユニットは、印刷ユニットに入る前で、表面基材と剥離紙を剥がして通紙することにより、のり面への印刷、すなわち『のり殺し』を実現するもの。
従来ののり面印刷は、輪転機(ロータリー)で手がけていましたが、やはり大ロット向けの印刷機であり、小ロットへの対応としては、効率が悪いとされていました。しかし、のり面印刷やのり殺しのニーズは、多品種小ロットの分野に移行しつつあり、そのような背景から、同社では凸版間欠機で対応する同機能の開発に至ったとのことです。
三起機械㈱
大阪府東大阪市高井田中5-4-39
☎06-6787-0106
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高機能タイプ「LR3」ならびに小型機「mini」をラインアップする岩崎鉄工は、東京営業所の河野裕二支店長が、凸版間欠機の歴史と、同機種がラベル印刷業界にもたらした功績に触れつつ、最新の技術動向として、凸版間欠機へのインクジェット(IJ)方式の可変情報印字ユニット搭載や、ユニット間すべてにLED-UVを搭載したプロトタイプについて言及しました。
周知のとおり凸版間欠機は、送りが逆回転する機構のため、IJユニット搭載によるインライン化は、輪転機と違ってとても難しい。しかし同社では、あえてその難しい機構にチャレンジし、実現へと漕ぎ着けることができたとコメントしていました。
また「mini」に関しては、4色ユニット間にLED-UV乾燥システムを搭載したモデルを紹介。「かつてラベル印刷が酸化重合からUVに移行したのと状況が似ているように感じます。私たちが予想する以上に、移行は早いと言う可能性もおおいにあり得るのでは」と、ラベル製造の将来予測を話していました。
岩崎鉄工㈱東京営業所
東京都台東区雷門マーナマリー浅草雷門ビル6F
☎03-3847-7121
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最後に、三條機械製作所・機械本部の浅野栄一氏らが、12月から発売を開始した超小型凸版間欠機「CS-200」を紹介しました。
新機種は3色ユニットにラミネートと抜き加工を標準装備した機種で、機械寸法はフレキシブルダイユニットタイプ「CS-200-3CLFx」が全長2,624㎜、平抜きユニットタイプ「同3CLF」が同3,000㎜で、省スペースを実現するコンパクト設計。機械全長を3m以内に収めた点が最大の特徴。UV乾燥システムを最終1灯に絞り込み、“ウェット・オン・ウェット”による印刷スタイルを採用することで、大胆なコンパクト化を追求したモデルとなっています。
凸版間欠機に関して、同社では「NS」「ES」シリーズや「PDA3」シリーズをラインアップしていますが、新機種を含めたそれぞれのすみ分けについて「付加価値の高いラベル製造には『PDA3』、幅広いニーズをカバーできるのが『NS』と『ES』であり、『CS』は印刷品質で“及第点”を確保しつつも、作業性やコンパクト性に優れ、なおかつロスを削減する機種として位置づけています。印刷機の全長を短くしたのも、そのため」と説明していました。
また、本社で開催した評価会では、機械寸法はもとよりベタ印刷の点で評価を得たことなどを訴えました。
㈱三條機械製作所・東京支店
東京都千代田区神田須田町2-11
☎03-3253-8351
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引き続き、Vieps側が事前にお願いしていた機械設計に関する質問に対し、各社が実例を交えつつ回答。蛇行修正装置の優位性や、胴間距離、バックテンションの発生方式などについて説明しました。