7月の勉強会報告

任意団体Viepsは7月15日、港区芝浦のコニカミノルタビジネスソリューションズ㈱で勉強会とショールーム見学会を開催しました。

一同は大会議室に集い、はじめに講演を聴講。マイクを握るのは、Vieps会員でもあるコニカミノルタからマーケティング統括部の堀田郁也氏です。電子写真方式のロール・ツー・ロール型デジタル印刷機「bizhub PRESS C71cf」の説明を受けました。
同機はコニカミノルタのプロダクションプリンタをベースに、搬送機構を組み合わせることでロールtoロール仕様としたモデル。2013年9月にベルギーで開催された「ラベルエキスポヨーロッパ2013」で初披露された後、国内の印刷関連展示会でも出品を続けてきました。9月の「IGAS2015」に展示した後、来年初頭ついに販売を開始するのだそうです。

スペックについて、印刷速度は最大で毎分18.9m、紙幅と印字幅はそれぞれ最大330mm/320mm。解像度は1200×1200dpiの8bit、ロール紙径は最大で直径500mm。コート紙、普通紙、ユポ、PP、PETのほか粘着加工していない普通紙に対応していると告げました。
続いて、同氏は特徴について言及します。
「基本構造はプリンタと同類なので、PDFデータを流し用紙を選択するとすぐに印刷開始する、使いやすい操作性を有します」
「優れた画質安定性で300m以下のジョブがターゲット」
「エッジからどの位置に画像を描画しはじめるかをセンサーで検知し制御しているので、幅方向に対しての位置ズレはほぼ生じません。多少紙が蛇行してもレーザーの描き出しが変化しますから、安定したラベル印刷が行えます」
「他社プリンタでも当機と同じスペックで1200×1200dpiのものがありますが、1bitの場合が多い。それに対して同機は8bitと1ピクセルの深さが異なるので、階調性が優れています」
ほかにも画質の変動が非常に少ないこと、電子写真方式のため印刷表面は平滑でUVインクの凹凸がないこと、コニカミノルタが誇る万全のメンテナンス体制、比較的低温で定着する4色トナーによりアナログ印刷機で使用する基材はほぼ使用できる――といった利点や開発経緯などを概説しました。

この後、ショールーム「デジタルイメージングスクエア」に移動し、2班に分かれて見学。堀田氏いわく「団体向けにお披露目するのはViepsが初」というbizhub PRESS C71cfをデモ運転しました。

ジョブをプリンタのハードディスクに蓄積できるため、タッチパネルでデータを呼び出すだけで容易にリピート印刷に応じる実例を示しました。

同機以外にプロダクションプリンタなどが鎮座するショールームでは、フランス・MGIの加工機「JET varnish」を用いた高加飾印刷物を見学。デジタルニスを施して水しぶきをとてもリアルに再現したポスターや、オプションユニット「i Foil」によるたオンデマンド箔押しやエンボス加工が施され美麗なポスターに触れてみるなどして、視覚のみならず触覚にも強く訴えかける加工技術にため息が漏れます。これほどの高加飾印刷物が少量から作ることができるという、先進の印刷加工ソリューションを目の前で体感した一同でした。

見学終了後には質疑応答も行われ、白トナーやエンドレス印刷への対応についての対応について質問していました。感想の中で会員から「初めてViepsで講演した約2年前から仕様や品質が大きく改善していた。正直ここまでとは想像できず、コニカミノルタさんの開発力やテクノロジーにあらためて驚かされました」という率直な声が寄せられていました。

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ちなみに今回訪問した東芝ビルディングは、お台場やレインボーブリッジ、東京湾が目の前というロケーション。そのビル25Fとあって、眼前にはめったにお目にかかれない、これ以上ないという至極の絶景が広がっていました。ここから望む夜景を想像して、きっと残業も苦にならないだろうと邪推した筆者でした。