研修ツアー実施しました

任意団体Viepsは6月9日、生産現場を視察する年に一度の「技術研修会」を実施しました。

今年は㈱サニー・シーリング(宮崎県都城市志比田町、窪田祐一社長)を訪れ、東京や大阪からの会員のほかにも九州一円からもゲストも交え、約20人が参加しました。

サニー・シーリングはシール・ラベルの印刷を行う「シール部門」のほかに、精密スリット製品を製造する「スリット部門」、液晶関連部材や光学関連パーツのフィルム抜き加工を行う「複合加工部門」の3本柱を主体とする企業です。

シール部門では、病理検査のシーンで有用な薬品で印字も落ちず剥がれない「対溶剤性向上ラベル」や-196℃の液体窒素による凍結から常温に戻しても剥がれない「超低温ラベル」など、特殊用途向けのオリジナル製品を開発。また、非鉄金属から複合材料まで最小0.25mmというスリット幅を実現する高精度な加工技術を擁するスリット加工、そして電子機器や精密機器内部にも通るフィルムやテープ材の貼合やパーツの打ち抜き加工を得意とする複合加工部門と、付加価値の高いものづくりを得意としています。

はじめに一同は会議室で同社の会社紹介VTRを視聴。その冒頭、窪田社長があいさつに立ちました。

「ラベル業界、広義で印刷産業が発展していくことが何より重要です。これを構成する業界は巨大企業だけで成り立つのではなく、その下で支える中小企業こそ発展の礎を担っています。当社としても、競合という言い方もできますが、今日ご参加いただきました同業者各位とベクトルを併せて、共に業界の発展に資するべきだ、というのが私の思いです」

「そのような点から、われわれにとっても今日の機会は非常に有難く感じており、きっと得るものがあるはずだと思っています」

次いで3班に分かれ工場内を見学。それぞれの版には現場の主任らがアテンド役を務めてくださり、シール製造、複合加工、スリットの3部門を順にしっかりと視察させていただきました。特に、液晶関連パーツの両面テープやフィルムなど、高度な品質安定性が求められる同社の中核を担う精密スリット加工や複合加工部門では、真剣な表情で製造加工工程を見つめては、アテンド役の説明に耳を傾けていました。

見学後は、再び会議室に集まって講演に。同社が2003年から運用している、独自の生産現場改善手法「NJ(ナイスジョブ)活動」を、現場代表者が紹介しました。部門ごとに詳細な実例を交えながらNJ活動の実態や本質を知り、サニー・シーリングの高度な現場力を醸成するマネジメント術を学びました。

終了後はテーブルのレイアウトを車座に変え、リラックスした雰囲気の中で質疑応答と意見交換を実施。この中で、今日の感想に言及した参加者は「すきのない、徹底した改善マネジメントがすみずみまで行き渡っていることを実感できた。そしてそれが持続的に実践されている姿を目の当たりにして、同業者として正直くやしいと感じるほど素晴らしかった」と賞賛していました。