1月の勉強会報告

任意団体Viepsは1月23日、東京都中央区銀座の中小企業会館で勉強会を開催しました。

講師を務めたのは、合成紙「YUPO」を国内外で提供する㈱ユポ・コーポレーション。営業第1グループの岡崎源氏が「新製品『静電吸着ユポ』について」の演題で講演し、20人が参加しました。

・静電吸着とは、粘着剤は一切用いず静電気の力だけで被着体に貼付するもの。被着体にのり残りが一切ない。

・静電気は上紙の合成紙と剥離紙の間に帯電しており、剥離紙から剥がすと吸着面に電荷が集中する。

・被着体に貼り付けると吸着力を発現し、電荷の鏡像が被着体にできることで吸着力を発揮する。

――と、はじめに岡崎氏が静電吸着に関する基礎的な構造を説明しました。

勉強会で紹介した製品は、同社が昨秋上市した静電吸着ユポからロールタイプの白色「WESL155」と透明の「WEST155」です。

ラベル印刷機用のロールタイプは、連続的に抜き刃の力が加わったりテンションが変動したりするため、静電気だけで基材と剥離紙を密着させる性質上、ズレや抜き加工後のシール・ラベルの脱落が生じることがあります。これの改善を図った新グレードは、剥離紙側に特殊な処理を施すことで従来グレードよりも強いグリップ性を付与したそうです。

「凸版輪転機や間欠機による印刷加工でも安定して使用できます」と解説した同氏は「エアーが入りにくく、スキージ不要で容易に貼れる」「被着体に貼った直後はスライドできるので、位置調整が自在」といった特徴に言及。

岡崎氏は、WEST155にクリスマスのリースをあしらったウォールステッカーを剥離フィルムから剥がし、室内の壁に貼ってみせます。壁に一旦貼った後にもずずずっとスライドして位置を動かす様子を実践。「表面に細かな凹凸のある壁材ですが、時間と共に定着して安定します。例え来月来ても、クリスマスツリーは剥がれることなくそのままでしょう」と、同社の静電吸着ラベルの威力を訴えました。

また今回、Viepsが昨年6月に企業視察を行った宮崎県都城市の㈱サニー・シーリング(窪田祐一社長)から、久野康之取締役がゲスト参加。本来社内向けの教育プログラムなので経営者の皆さまにどれだけ有用かどうか、と前置きしながら「プレゼン講座初級編~カギは日本昔話にあり?仕事から生活まで使えるプレゼン術~」を講演しました。

  • 「自分と他人、分かり合うなんてそもそも不可能。発表者が100%頑張っても、100%相手に伝わることはない」
  • 「緊張を生むのは、成功を期待されるプレッシャー。その成功は月に行くようなミッションではないのに、自分で自分にプレッシャーをかけている」
  • 「わたしたちの言葉には無駄が多い。省いて短く、〝省・短〟を」
  • 「S(主語)V(動詞)O(目的語)C(補語)を整理して、話の幹と骨子を自分で把握したうえで優先順位の意識を」

久野氏は、簡潔で印象に残りやすい言葉がシンプルにレイアウトされたスライドを次々とめくり、自身の体験談などを交えつつテンポよく投げかけます。

そして講演終盤には、演習を実施。「童謡の『ももたろう』を幼児も歌えるのはなぜだと思いますか」と一同に問いかけた同氏は「〝昔むかし〟から〝めでたしめでたし〟まで、1412文字。ここから、桃太郎の内容を40文字まで要約しましょう」と、プリントを手にした会員らは真剣に取り掛かります。指名された会員が読み上げた作品を、久野氏はここがよかった・この部分が工夫してまとめられている、などとポイントをとらえて評価しました。

「いちいち他人に背中をおしてもらえません。だから、自分で自分の背中を押すのです。このくらいの勢いで自分に喝を入れないと、前には進みません」

と、今まさに背中へドロップキックを受けそうなプロレスラーの写真を掲示したスライドで笑いを取りながら、久野氏は「やってみると広がってくる世界がある。大切なのは度胸と勢い、恐れずともきっとできます」と、迷った時は背中にドロップキック!と何とも力強いメッセージとともに40分間の講演を終えました。