3月の勉強会報告
任意団体Vieps(宍戸伊助チェアマン)は3月15日、「外国人技能実習制度」に関する月例勉強会を開催し10人が参加しました。
今回講師を務めたのは、ベトナムやASEAN諸国向けの進出コンサルとベトナム人を中心とするASEAN人材採用・育成コンサル事業を行う、㈱ワールディング(東京都新宿区四谷、☎03・5361・6455)。同社が運営する世田谷区給田のアジア人財キャリアデザインセンターを訪れ、施設を視察しました。
矢代基裕取締役副社長の歓迎のあいさつに続いて、早速施設内の見学へ移動します。
デザインセンターの廊下や室内には日本語にベトナム語が併記された張り紙が随所に掲示され、日本での規則や生活ルール、マナーが説明されています。食堂では、ゴミ箱が色を分けて並べられていました。
スタッフの方によると「世田谷区では本来、ここまで細かく分別する必要はありません。ただ、彼らが研修後配属されていく自治体では事情が異なります。ゴミは分別して処分する、という日本の文化を、1カ月の集団生活の中で覚えてもらうための色分けです」と狙いを教えてくれました。
ちょうど研修生が自主学習だった食堂では、われわれ視察一行を認めると「こんにちは」と元気よくあいさつしてくださいました。書き取りの勉強中だった様子で、漢字の混じった文章を読み取って解答欄に答えを記入しています。日本語は簡単ではないと思いますが、みなさんぜひがんばってください!
続いて、講堂でベトナムからの研修生らによる模擬授業を見学しました。襟のついた白いシャツにパンツ姿のさわやかな研修生が16名、センターの講師の質問に耳を傾けています。
100%分かったときは「分かりましたと言うだけではなく、復唱して分かったことを伝えます」、99%分かったときは「すみませんもう一度お願いします、と分かるまで聞きます」、ではなぜ分かるまで聞くのか――、などと、職場を想定したロールプレイを実践しています。皆さん講師の質問にはいと元気よく挙手をし、充てられた研修生は起立して「それは、○○だからです」「答えは、○○だと思います」としっかりと大きな声で回答し、座っていいですよの声掛けに「はい、失礼します」と着席。礼儀正しい姿を頼もしく思うと同時に、自分はここまでできているだろうかと日ごろの心構えを顧みてしまいます。
その後、われわれ視察一行に一人一人自身の夢を発表してくれました。通訳になりたい、日本企業のベトナム支社で統括役になりたい、電気屋を開きたい、自分の店を持ちたいと、16通りの日本語で自身の夢をしっかりと発表してくれました。コメントの後に送るわれわれからの拍手は、ぜひがんばって実現してください!と自然と力がこもります。
最後に「歓迎会や忘年会で、何か一曲歌えるように」ということで、Beginの島唄を全員でカラオケに合わせて元気よく合唱。大拍手の中「ありがとうございました」「頑張ってください、失礼します」と、異国で努力を惜しまない若者にわれわれもしっかりお辞儀をして講堂を後にしました。
視察を終え会員らは「礼節を重んじ、快活でひたむきな生徒の姿をうちの社員に見せたい」「自分の夢を一生懸命伝える姿に心が動かされ感極まった」「ダメ泣きそうだった」「うちの社員連れてきたい」と口々に率直な感動を語っていました。
その後会議室に戻って、矢代副社長が60分間、外国人技能実習制度の概要を詳説。受け入れ必要となる手続きや流れ、概算賃金モデルといった具体例を明示したほか、同センターの基礎日本語教育、生活・ビジネスマナー教育、キャリアデザイン教育といったカリキュラム内容を紹介しました。
終了後の懇親会でも矢代副社長らを囲み、より具体的な質問や他社実例に聞き入る姿のほか、過去実際に外国人労働者を数年間社内に受け入れたVieps会員の経験談に耳を傾けました。