4月の勉強会報告

任意団体Vieps(宍戸伊助チェアマン)は4月16日、東京都中央区銀座の中小企業会館で勉強会を実施。印刷商社2社によるプレゼンテーションに14人が出席しました。

まずは、ラベルやパッケージ業界の製版現場を中心とした各種ソフトウエア、ハードウエアを取り扱うアビッド・フレックス㈱が登場。川村真幸マネージャーが登壇しました。

業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しています、と切り出した同氏は、納期・価格・小ロット・品質管理・商品技術の進歩・市場の変化、といった要因を挙げ「こうした環境下で▽新規案件を増やす▽営業・生産コストを下げる▽受注単価を上げる、ことで『利益を増やす』ためには何が重要でしょうか」と問いかけます。

「その解の一つとして、最もシンプルなのが『新規案件を増やす』こと。では、どのように新規案件を増やしていますか」と、川村氏は一例として印刷業界の受注形態の変化に触れます。

「足で稼ぐ時代→メールとウェブで入稿する時代→今はFacebookやTwitterといったソーシャルメディアのログイン共有システムを代表とする、他のシステムと連携する『API(Application Program Interface)システム』に注目が集まります。これは、顧客の生産管理や受発注システムと連結するオーダーシステムです」と図解。

〝オーダーコミュニケーションの変化〟を示唆した川村氏は「発注システムの簡素化がスピーディーで漏れのないオーダーを実現します。こうしたシステムをいち早く取り込んだ異業種が新規参入を図りパイを取り合うことが、価格破壊が生じ続ける一因となっていると考えます」と分析しました。

あらゆる工程、部門で改善が求められていると川口氏。中でも、製版とDTPの視点から見た業務をスムーズにこなす上での課題と銘打ち「何で担当者によっていうことが変わるのか」「なぜ今ごろになってデータ不良が判明するのか」「確認だけでどうしてこんなに時間がかかるのか」「長いことデスクに座って一体何をしているのか」といった、他部門からDTP部門に向けられる〝あるある〟ネタをピックアップ。

DTPの見えないロスを改善する意味として、①入稿時におけるデータの品質管理体制の確立②費用対効果の検証によりDTP作業によるムダやムラを可視化、と提起。入稿→デザイン確認→デザイン修正→色未調整→とラッピング→版下・校正→検版→面付け→製版→印刷、といった一連のワークフローを図式化した同氏は、「工程運用の見直しと改善は、システムの利用によって劇的な効果を生む」として▽自動入稿▽自動チェック▽工程管理化▽精密検版▽自動処理化▽、をサポートするアビッドフレックスのソフトウエアやソリューションを紹介。「装置やシステムを販売するだけでなく、現場と環境に合致する解決策を共に考えていきたい」(同)とまとめました。

なお当日は、㈱ワイズも「複合機のハードディスクセキュリティーについて」の演題で講演。担当者が大学や企業の複合機から個人情報や機密情報、テスト問題が漏えいした事例を挙げて不正アクセスへの有効な対応策を明示しました。