1月の勉強会報告

任意団体Vieps(宍戸伊助チェアマン)は1月22日、東京都中央区銀座の中小企業会館で月例勉強会を実施しました。

今回は、ものづくり補助金を採択した会員企業2社による講演です。設備投資をしたい、新しい機械で新たな機会に挑みたい。経営者にとって喉から手が出るほど、どうにか採択を手にしたいと願うのが補助金。採択された企業が登壇して、必要な事業計画の書き方から取得後の報告まで自社の実例を仲間につまびらかにするという内容に、会員外の聴講者を含め18人が参加しました。

はじめに登壇したカピタ㈱の柳森寛剛社長です。

柳森社長は「①展示会で欲しい機械を発見した」から「㉗実績報告書と見積書、注文書をきれいにファイリングして検査を受ける」までを時系列順に27項目にまとめ、実施した事柄をA4用紙1枚にびっしり集約。それを読み上げながら、解説を付していきました。

申請にコンサルタントの助力を得た同社の事例として「こんな指摘を受けて書き直した」「『経営力向上計画』の取得を促されネットで記入例を探した」「この時期にこれくらいのボリュームの書類を作成した」など「自助努力には限界がある」といった振り返りや裏話を交えつつ、臨場感のある〝軌跡〟をVieps会員に向けて公開。特に今春はじめて応募する予定の聴講者にとって大きな助けとなっていた様子です。

次いで、チェアマン自らが講師役に。大輪印刷㈱の立川理工場長が登場しました。

同社はコンサルタントの助力を得て、過去に数回、数タイプの採択を実現しています。そんな過去の事例を基に、立川工場長は「市場から求められているニーズに対して、自社で現状対応できる限界値を推し量る。そこに生じるギャップを埋めるストーリーをいかに組み立てるか」と、要点を抑えます。

申請する事業内容についても立川工場長は、過去のいくつかの実例を引用しながら「多少デフォルメしてでもメリットを強調する」、申請書類は「相手は何百何千という書面に目を通す、その業界のことを知らない素人。そんな素人が読んでもそこに何が書かれ提出者は何を主張しているのか、通読する限られた時間でより理解を促進させられるよう、写真やグラフを交えたほうがよい」、などと委細漏らさずアドバイスしました。

聴講者の中には、補助金の採択を受けた会員も多数。「おたくのときはどうだったの」「○○さんのとこは」との問いかけから、聴講者が講演側に回るなど、双方向型でベストプラクティスの情報共有を図りました。

なお当日は、㈱高崎総合コンサルタンツの萩原義昭氏も同席。あいさつと共に、次年度のものづくり補助金に関して傾向や前年度との明確な変更点、狙いどころや事前に準備したい申請書類など勘所を概説しました。