4月の勉強会報告

任意団体ヴィープス(宍戸伊助チェアマン)は4月17日、東京都中央区銀座の中小企業会館で月例勉強会を開催しました。

ヴィープスは今期事業の主要テーマとして「マーケティング力の強化」を掲げています(詳しくは2回前の「定期総会」記事、宍戸チェアマンのあいさつで)。年間を通じてマーケティングの集中講座を実施することで、経営強化に必要な周辺知識を体系的に学ぶ狙いです。

ヴィープス史上初となる今年度の取り組みの中心となって講座を務めるのが、中小企業診断士でひめの企画の姫野裕基代表。姫野代表は現在、ラベル印刷会社のコンサルティング契約を請け負うほか、マーケティングを中心とした出張講義も担当しています。その初回「悪用禁止の、超顧客心理術」と題した講演に、会員ら21人が参加しました。

普通に自己紹介をしてもつまらないから、と切り出した姫野氏。われわれ印刷と深くかかわる某大手事務機器メーカーでの勤務経験を告げた同氏は、それを経てITベンチャーを起業し、いわゆる当時のヒルズ族と肩を並べ、時のIT系の大物らとの交友などを交えながら当時の事業を詳らかにします。

その後、事業を譲渡してビジネススクール勤務と経営を経て独立、これまでに培ったマーケティングの知識を投入した店舗運営でBtoC事業を経験するなど、現在までの歴史を自己紹介代わりに話しました。

例えばフランチャイズの飲食店を起業したとき、と姫野氏。ブームで都内に一挙20店舗超が出店し、2~3年後には同業者が片手で数える程まで退店していく中、結果最後の2店舗として残っていたという姫野氏がブームただ中から講じていた戦略を説きます。「どんなに流行った商品でも寿命があります。特にブームになったものは早い。伸びている時に次の手を考えていないと遅いのです」と、場面を追いながら、なぜ支持されたのか・どんな売れる仕組みを実践したか・なぜ撤退したのかを、場面ごとに講じた各種マーケティング論や心理効果を重ね合わせて解説しました。

そうした現実の話を踏まえた上で、「これから講演する内容は、「悪用しようと思えばできてしまう心理術」(同)と▽3C▽4P▽AIDMA/AIDCA/AISAS/AISCEAS▽SIPS、などといった用語とその意味を説きながら、「どういった組み立てで顧客心理を上昇させるか。プロセスの組み立てが重要」として顧客心理モデルを例示。販促に活用できるさまざまな心理効果として▽バンドワゴン効果▽文脈効果▽アンカリング効果▽ディドロ効果▽決定回避の法則▽損失回避の法則▽価値のリフレーミング、などの項目を、具体例を添えてていねいにレクチャーしました。

「『学問なき経験は、経験なき学問に勝る』。いくら勉強しても経験しないと意味がない・勉強は不要とも言われますが、私の考えは『学問なき経験は、学問ありき経験に劣る』。勉強してから経験した方が絶対よいですし、勉強は必ず意味があります」と姫野氏は持論を述べ、学ぶことの意味、集中講座との向き合い方を説きました。