7月の勉強会報告

任意団体ヴィープス(宍戸伊助チェアマン)は7月15日、東京都中央区銀座の中小企業会館で勉強会を開催。20人が参加しました。

今期の年間テーマ「マーケティング力の強化」に基づき実施する集中講座の第2弾。前回の4月から少し時間が空きましたが、引き続き中小企業診断士でひめの企画の姫野裕基代表が「今日ここで決めます!自社のウリとお客様」の演題で講演を行いました。

はじめに「マーケティングとは売れる仕組みづくり」「3Cとは」「4Pとは」と、3か月前のおさらいからはじめた姫野氏は、次いで「自社商品や自社サービスと、その特徴を説明してみましょう」。全員に呼びかけ、配布したレジュメのスペースへ記述するよう促します。

5分後に隣同士読み合わせを実施しながら同氏は「うまく特徴を伝えられなかった・説明が冗長で時間内に収まらなかった人は、自社の特徴をはっきりとらえていないのでは。それを感じてもらうトレーニングです」と説明。「皆さんの商品やサービスはどんな特徴を持つのか。何が競合他社と違うのか。説明を聞く側は、それを知りたかった」とし「USP(Unique Selling Proposition)を考える必要がある」と提起しました。

USPの代表例として

  • 「ピザを30分以内で届けます」…ドミノピザ
  • 「お口で溶けて手で溶けない」…M&Mチョコレート
  • 「今日注文すると明日来る」…アスクル

といった誰もが耳にしたことのある有名なフレーズ・顧客の心にささるエッジの効いたフレーズを挙げ、姫野氏は「USP=マーケティングコンセプトに等しいと言えます」と説明します。

一方で卵を割ったような図案を掲示して、これを「製品概念の3層モデル」と定義。この中で、中央の黄身を利益/恩恵を指す「ベネフィット」、白身部分をデザイン/パッケージ/ブランドといった「製品の形態」、殻部分をアフターサービス/クレジット対応/配送といった「製品の付帯機能」と位置づけ、次のように解説します。

「顧客が自社を選んでくれるのは、製品がもたらす機能を欲しているのか。それとも、ブランド力やデザイン性への満足や評価なのか。あるいは、サービスや支払い、親しい○○さんだからなどといった付帯機能か。貴社のUSPはモノ・コト・ヒトでしょうか」と問いかけた姫野氏は、必ずしもどこにも劣らない高品質な製品さえ作れば売れる、とがった製品やサービスを提供しさえすれば売れるというものではなく「黄身・白身・殻とどこに強みを持ってくるかを策定すること。そして、その商品・サービスが、想定される顧客に受け入れられるのか見極めること」が肝要だと力説します。

思い込みや過信、独りよがりのない主観を廃したUSPの重要性を説き、USPを構築するために▽どこの誰に(=ターゲット)▽どんなことが起こるのか(=ベネフィット)▽ほかと何が違うのか(=ポジショニング)、という視点のもと、戦略と方針をまとめるために効果的な図表や座標軸の事例を公開して、ともに考え、記述しつつマーケティング論の実践を進めました。