3月の勉強会報告

任意団体ヴィープス(宍戸伊助チェアマン)は3月16日、東京都中央区銀座委の中小企業会館で月例勉強会を開催し12人が参加しました。

今回の演題は「ビジネス向けメンタルトレーニング」。アスリートが実践するスポーツメンタルトレーニングをひもといて、それをビジネスに応用するという狙いです。講師にスポーツメンタルトレーニング指導士で、㈱ハイクラスの小林玄樹氏を招いて講演を行いました。

自衛隊体育学校の心理スタッフや、ボクシングジムの専属メンタルトレーニングコーチなども務める小林氏は、自己紹介と経歴紹介に次いで隣の人と2人一組のペアになってと声をかけます。「▽集中しろ▽やる気を出せ▽リラックスしろ▽気合いを入れろ▽前向きに考えろ、などとこれまで言われたことも言ったこともあるのでは。では、そう言われて、皆さんは何をどうするでしょうか。お互いに話し合ってみてください」と投げかけました。

メンタルトレーニングと言えば、駅前で見知らぬ人に自己紹介をして名刺をもらう営業のビジネス研修だったり、学生の時分では部活の先輩に電車内で校歌を歌わされたり――。ああ、やってたやってたといった強烈な武勇伝がそこここから聞こえてきます。〝あんな大変なことだって経験してきたのだから、目の前のこれしきのこと…〟といった思考だろうかと会員らは考えます。

部活動やスポーツの試合の場面で、やる気を出せと言われて選手は何をどうしていいか分からず「黙ったり音楽を聴いたりと選手任せ。追い込めば力を発揮するだろうという根性論が根付く日本に対して、海外ではいかにメンタルを強くするかを学術と研究によって科学的に明らかにしています」と小林氏。その上で「メンタルトレーニングは『心の準備』」とイメージを提起しました。

学校の予習を例に「成績のいい人は大体予習をしているもの」と説く小林氏は「授業中に先生が生徒を当てようとした際、予習をして準備ができている人は視線を下げません。表情にも自信があるでしょう。これ対して、予習をしていない人は、自信がなく当てられたくないので下を向いてしまいます」と指摘。

メンタルが弱い人、プレッシャーに弱く緊張しがちな人は、強くなるためのトレーニングをして準備をすればいい――。こう説いた小林氏は「内発的モチベーションと内発的モチベーション」「目標設定」「失敗を続ける人の考え方」「プラス思考とは何か」「ポジティブになることで何を得られるのか」「究極のプラス思考とは」、などなど、章ごとに要点を体系的にレクチャー。

いかに自身や他者をポジティブな状態にコントロールしていくか、その準備法をロールプレイやプリントへの記入など実践を交えながら、大切な商談の前には、メンタル面も準備をして成功に導きましょう、と結びました。