4月の勉強会報告

任意団体Vieps(木原一裕チェアマン)は4月19日、オンラインで4月度月例勉強会を開催しました。

今回のテーマは健康管理について。かつて健康経営というテーマでも執り行いましたが、企業の健康経営もそこに努める社員の健康あってこそ。会社として・経営者としてやらなければならない社員の健康管理について▽健康診断について▽健康の課題~長時間労働と喫煙▽心の健康について、との区分で学びます。

講師を務めたのは、大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センターのセンター長で医師の守山敏樹先生。生活習慣病にうつ病も含めた現代病の総ざらいから発生条件と症状、治療のあれこれを概説しました。

職場で行う健康診断(健診)は、労働安全衛生法で定められたもの。事業者は検診を行う義務を負い、労働者は検診を受ける義務があります。「でも健診はやりっぱなしではいけない」として、帰ってきた結果への事後措置が肝要と同氏。「個人の健康管理の支援をするため」で、その上で、個人の健康状態に配慮した適正配置や職場の作業環境・作業条件の改善といった「事後措置」が図られる必要があると説きました。

一般の健診で対象となる主な疾病を確認しつつ「睡眠時間が6時間半~8時間の人は健康被害が少ない」など睡眠と健康の因果関係や、タバコの被害は家族など周囲の人におよぶこと、うつ病はなぜ発症するのかなどを説明しました。

Q&Aの場面では、聴講者からうつ病に関してこういった質問が挙がりました。

今日ご説明いただいたうつ病のサインや症状、一連を聞く中で自社の社員がやはり該当するのだろうという思いが強くなったそうです。ただそこから先、○○さん、あなたはうつ病のきらいがあるのでは。一度きちんと受診をしてみて、正しい治療法を受けてみるといいかなと思うのだけども、どうだろうか――。「自分にはとてもそう言い出せません」と吐露しました。何なら、社員のことをうつ病ではないかなといった見方をして疑う自分の姿勢の方がいけないのではないだろうか、と思い悩み「どう一歩を踏み出せばいいでしょうか」とアドバイスを請いました。

先生は「それは双方の人間関係でしょうね」と一言。こういった話でもいちいち肩肘を張らず話すことができる、上司と部下の間柄という人間関係ができていれば造作のないこと。もっと言えば、そういう関係性が構築できていればあるいはうつの症状にもっと早く気付けるしそもそも回避できるかもしれない、と返答され、返す言葉もない様子でした(もっとも、質問したのは筆者なのですが)。

まあでも、言い出すのはなかなか難しいですよね。私でも躊躇うかもしれないですと付け加えて「上司としてしっかりサポートしてあげて」とフォローしました。