11月の勉強会報告

任意団体Viepsは11月20日、文京区春日の文京区区民会議室で11月度の月例勉強会を開催しました。

今回のテーマは、11月24日から28日までの5日間、江東区有明にある東京ビッグサイトで4年振りに開催される「IGAS2022」を直前に控えた企画。国内最大規模の印刷総合展にVieps会員からも出展する企業がおられるので、展示する製品・サービスを事前に紹介してもらう回としました。

その前に、事務局を務めるラベル新聞社がIGAS2022の全体概要や見どころを簡単に紹介。シール・ラベル印刷関連は出展者全体の35%ほど。210社・団体のうちの73社だとしました。

IGASの歴史として1973年に初回開催(当初はJGASとして)となりJGAS・IGAS含め今回で25回目。近年は規模縮小気味で、世界最大の印刷メッセであるドイツ・デュッセルドルフで4年周期で開催される「drupa」と同様、過渡期を迎えていることを示唆しました。その数字まとめは次の通り。

◇IGASの「最盛期」まとめ

  • 出展者数…550社(2007年)
  • 小間数…6325小間(1991年)
  • 来場者数…38万1300人(1993年)

◇直近の「IGAS2019」

  • 出展者数…319社(-42%)
  • 小間数…2702小間(-57%)
  • 来場者数…5万5863人(-85%)カッコ内は最盛期との差異

また同展のトレンドテーマとキーワードとして『省』と言及。これに則して▽省エネルギー▽省スペース▽省人化▽省プロセス▽省コスト、などといった単語とそれが示唆する技術や製品・ソリューションを紹介しました。

続いて、㈱タカノ機械製作所の仁科俊昭氏が出品する製品の紹介を行いました。同社が披露するのは次の4点ということです。

①製版装置「タカノプロセッサー DX A3neo」②廃液処理装置(参考出品)③CTPイメージャー「ESKO CDI spark 1712(A3) Opt12」④源祐製版張り装置(参考出品)

①について仁科氏は「発売6年で70セット以降を出荷」「露光時間を最大1/2にする」「露光可能時間は2万時間。これに対してケミカルランプは300時間で、同ランプは2027年までに製造が終了する見通し」などと解説しました。

また②については「現在特許出願準備中の開発品」と説明しつつ「タカノ機械製作所の環境の取り組みとして、樹脂版の廃液処理装置の開発に着手しました」「過去に一度チャレンジしましたが立ち消えに。当時とは異なるアプローチで開発を進めています」と補足。

「いつ頃に製品化を果たすのか」「サイズはどれくらいか」「一回あたりの処理液量はどれくらいなのか」「どのくらいのレベルまで処理できるものを目指しているのか」などと、具体的な質問が聴講者から集まりました。

最後に、コニカミノルタ㈱が登場。産業印刷事業部マーケティング部の那須雄介氏が最新の同社デジタルラベル印刷機「Accurio Label 400」について解説しました。

同モデルは、従来機「Accurio Label 230」のアップグレード機。最大39.9m/分という高生産性に加え、同社のデジタルラベル印刷機として初めてホワイトトナーを採用して5色印刷を実現。さらに自動画像安定化装置「IQ-520」を搭載していると那須氏はアウトラインを概説しました。

このうちIQ-520について補足した那須氏は「コニカミノルタセンシングの『MYIRO』測色センサーを搭載し、CCDと併せて高速かつ子精度な自動画像安定化機能を標準装備しました」と述べ、枚葉機で支持される「IQ-501」の色調整に特化した機能であると説明。これの運用例として、3000mの連続印刷で色差はΔE00≦3になると紹介しました。

プレゼン中には、YouTubeにアップロードされている同機のプロモーション動画を一緒に視聴。先進的なテクノロジーを実装した高性能モデルであることが直感的に分かる最新モデルの登場に、ぜひ会場で見てみたいという気持ちになりました。また会場では、印字サンプルも回覧。「ホワイトトナーの塗布厚はどれくらいになるのか」といった具体的な質問も飛び出しました。

こうして3社のIGAS前プレゼンテーションは終了。4年ぶりの印刷の祭典に思いを馳せたのでした。